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禍津解錠 17

 そして禍津解錠から数日が経った金曜日の夜。


 何か成し遂げた後の恒例行事となっている宴会がまた俺と遼の住まいである学生寮の1202号室で行われていた。


 「いやー、何事も無く終わってよかったなー」


 俺はゲームセンターで取った小さな焼肉機を用いて焼いた肉を口に運びながら遼と騎士に笑いかける。


 「まあな、今回は全体的に見ても死者も出なかったらしいからな···ああ所で新種のマガツモノの名前決めたのか?お前2匹も狩っただろ?」


 「ああ、それなら確か提出してたよな?確か片方は"アウンツーカー"だっけ?」


 遼の問を補足しつつ、話を俺に振ってくる騎士。


 「やはり少し遠回しな表現をする古き良き伝統の命名方法は遵守したかったからな。で、2体目の方はアイツが寄生してた恐竜をタイドウナユタって名付けたらしいから、それに付け加えて"タイドウナユタヤドリ"ってしといた」


 俺は少しドヤ顔気味にそう言うと再び肉に箸を伸ばす。


 そして、少しの間取り留めのない話を繰り広げながら食事を続ける。


「ああでも、結果無事に終わってよかったが最後の方は少し焦ったぞ。突然お前らと連絡が取らなくなるんだもんな」


 そうこうしている内に肉も残り少なくなって行き、皆の腹も膨れてきた所で騎士が何かに気が付いた様に呟く。

 

 「ああ、あれか。···その上、終わる寸前に巨大なマガツモノが出現してな、どうせあと少しで終わるからそいつは無視して避難しろってなったんだよな」


 「そうそう、しかも丁度他の奴らと別行動した時に俺達の目の前に出現してきやがってな、あれは焦ったぜ」


 「ははは、確かにあれはビビった」


 そして俺達は禍津解錠の時の記憶を振り返りながら談笑する。


 色々あったが特に目立ったミスや事故、事件なども起きずに死者も出すこと無く禍津解錠を終えられたのだから、よかったとすべきだろう。


 これで後ろめたい気持ちを負うことなく、マガツモノ討伐の報酬を喜んで享受する事が出来るってもんだ。


 ···。


 ······ん?


 「あれ?でもよ。なんであの時、無線が繋がらない上、俺と遼は皆と別行動をしてたのに最後のマガツモノは無視するって命令を知れたんだっけ?」


 「それは···あれだろ。······ん?確かに」


 「···」


 「···」


 「あー、まあどうでもいっか」

 

 多分、町内放送的なのが流れたんだろう、うん、確かそうだ。


 「そんな事よりも早く食ってゲームしようぜ」

 

 どちらにしろ禍津解錠は無事に終わったんだ、今はそんな事よりも宴を楽しむ事が大事だ。


 俺はそう思い、焼けた肉を遼と騎士の皿に乗せて、残り僅かになった肉を全て焼肉機に敷き詰めて焼き始めた。

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