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脳腫瘍と共に生きる  作者: でびあ
3/5

これから


「せ、成功しましたっ!召喚成功です!」


光りが収まり、目を開くと大勢に囲まれていた

前に三人、中年の金髪のおじさんと同じ位の年のおばさん

そして成功したと言っていた女

周りにもワラワラといる


鎧を着ている人も何人かいる

他はゲームに出てきそうなローブを被って杖なようなものを持ってる


召喚?てか今の光は?

後何か凄い視界がぐにょぐにょしてるんだが、これは何なんだ?


「あの、すいません。ここは何処でしょうか?いきなり光ったと思ったらここにいて」

さすが光。慌てずに質問できる冷静な脳を持ってる


「ここはルーントリナ王国。私はその国の王、ルーントリナ·セノアルマだ。君たちを異世界から呼ばせてもらった。いきなりで悪いが、この星は魔王という邪悪な神の使いに侵略されている。それを助けてほしいのだ」

前にいたおじさんは王様だったようだ


、、、これは、今どきラノベで有名な、異世界転移、というやつか?異世界から僕達はここに召喚されて魔王を倒しに行く、と

随分とテンプレ展開だ。そしてこういうタイプはもとの世界に大体戻れないものだが


「い、異世界?じゃあ俺達はさしずめ、勇者ってとこですか?」

光のちょっと興奮したような声

横の二人もちょっと期待しているような顔


そういえばこいつもラノベにハマってたな

人助けもそれが原因だって聞いたっけ


「あぁ、君たちのような異世界からの救世主を勇者と読んでいる。といってもずいぶん前の記述だから本当かどうかわかっていなかったが、これで本当だと証明できたわけだ」

ほっほっほと笑うと周りの奴らも安心したように笑う


「あのー、全然関係ない話で悪いんですけど、視界が凄いぐにょぐにょするんですけどこれっていつ治りますかね?」

そろそろ耐えられなくなってきたので聞いてみた

ついでにお前らは?と目線で聞いてみた


「え?視界がぐにょぐにょ?こっちは全然してないけど?二人は?」


「こっちもしてない、けど」


「うん、私もしてない」


あれ?僕だけ?なんで僕だけ?


「うーむ、何か異常が起きたのだろうか?直ぐ調べろ」

王がそういうと魔術師っぽい人が近づいてきた


そして手をかかげて光を出す


初魔法!これが魔法か!詠唱は無いようだ

僕も魔法使えるんだろうか?いや、使ってみせる

あ、でも折角異世界に来たけれど僕の寿命ってあと一年たらず、、、いや、この世界だったらもしかしたら魔法で治せるんじゃないのか?


「セノアルマ様、この方に異常はありません。軽度の酔いとは出ていますが」

僕は耳を疑った


異常が無いだって?馬鹿言うなよ。僕の頭には大きな膿の塊があるんだぞ

いや、でも異世界物では医学が発達してない所もある。ここも多分そうで認識出来ていないに違いない


僕は自分をそう納得させる

だって、納得させなかったら、もしかしてと思っちゃうじゃないか

もしかして僕は


「もしかして異世界に来た影響で脳腫瘍がなくなったんじゃないのか!?今頭痛は?左手は動くか?吐き気や目眩は?もしかして!無いんじゃないのか!?」

光が興奮した口調で聞いてくる


頭痛は、しない

左手も、、動く

吐き気は全くしない、こんなにいい気分になったのは久しぶりだ

目眩は、何かぐにょぐにょしてるから少しあるけど、これって


僕は眼鏡を外してみた

以前までの僕なら、眼鏡を外した状態では殆ど何も見えなかった 


これを外さなくっても結論はもうわかってる

まだ頭の中では否定している

でも、もしかして本当に、、、



眼鏡を外した僕の視界は、とても鮮明に移していた




「治った、、、」

気づいたら僕は涙を流していた

周りを見れば三人も泣いている


「、、、本当に、治ったんだ」





僕の脳腫瘍は、無くなっていた







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