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脳腫瘍と共に生きる  作者: でびあ
1/5

これまで【前】

前後に分けます


「この状態からは、持っても、後一年、といったところでしょう」


僕はこの言葉を聞いて、絶望した、という気持ちもあれば、やっぱりそうだったか、という気持ちもある


僕は脳腫瘍に現在侵されている

その脳腫瘍の発見が遅かったのだ

だから心の何処かではそう考えていたのかもしれない


両親は大泣き

僕は泣いてすらいないというのに

その泣いていないという態度が、絶望して何も考えられないように見えたのか、家でゆっくりとお話をしてきたらどうでしょう、と医者に言われて家に帰った


僕の両親は至って普通、と言えるのかどうかはわからないが、少なくともDVやら麻薬やら裏の仕事についているわけでもない

だから多分普通だ


そんな普通の両親から産まれてきた普通の一人息子

公立の小学校へ行き、普通の成績で卒業して、その小学校から近くの中学校へ行き特に問題も起こさず卒業した。

その辺りからだろうか、普通の生活が崩れてしまったのは


まず脳腫瘍が発覚した

その頃にはもう脳腫瘍は大きくなっていた

それまでに気付かなかったのはきっと高校受験で苦戦して、そのせいで体調が悪いのだと思っていたからだろう

もし僕が体調の悪さを両親に伝えて病院にでも行けば少しは違ったのかもしれない


でももう遅い

もう手遅れなのだ

このレベルの脳腫瘍を手術することは難しい

そしてそれなりのお金がかかる

勿論両親は借金をして、全てを捨ててでも助けようとしたが多分手術は失敗することだろう

何となく自分が死ぬということがわかる

こんなことは物語だけの話だと思っていだか本当の話だったんだな


そんなことを思いながら僕は通学路を歩く

僕は残りの一年で悔いなく学校に通うことにした

手術が成功して生き残ることももしかしたらあるかもしれない

そうだったら、いいな







でもそんな事は恐らくないのだろう


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