プロローグ
不慣れなため誤字等ありましたら。申し訳ありません。
木々が思い思いに染まり、赤や黄の葉をサラサラ落とす。
魔王討伐から3ヶ月経つ。
レーネは慰問に訪れた修道院の鐘楼を丘の上から見降ろし、小さくため息をついた。
レーネは勇者だ。
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レーネは辺境の村で産まれた。村の背後には深い森と険しい山。昔、山神を信仰した民が住み着いたと思われる。森の恵みと僅かな畑だけの小さな小さな村。
そんな誰も見向きもしない村を魔物が襲った。熊の二倍以上ある、紫の皮、二本のツノを持つ異形が8体山からやってきて、あっという間に村を蹂躙した。数少ない優しい隣人たちが次々と倒れ、ついに、レーナの目の前で唯一の家族である母が鋭い爪で引き裂かれた。
恐怖を凌駕する怒りと悲しみと憎しみで脳が思考を放棄し、あらん限りの声で叫んだ。
その時、天から目のくらむ光線が、ズンと音をたてて落ち、周囲の魔物は黒焦げで倒れ、レーネは何故か一太刀の剣を握っていた。勇者の剣〈アカツキ〉と銘が彫られていた。
レーネは勇者になった。
剣とともに大国ケリックの首都ゼーブにたどり着き、仲間を募り、剣技を身につけ魔法を学び旅に出て4年、ボロボロになりながらもこの世界の魔物全てを操る存在である魔王を倒した。
レーネは17才になっていた。