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お姫様は面倒くさがり  作者: 夢月なつか
7/9

番外編・姉夫婦の思い

レイアの姉、レイナとその夫の語り合い。

短め。


「僕は、レイアの美しさは人外だと思うんだ」


「それは貶してますの? 私の可愛い妹を」


 夫婦水入らずの時間。


 私は夫である、スカーレット国の王子セナードの言葉に不快感を覚えましたわ。


 私の反論に夫は「とんでもない」と目を丸くして否定しました。

 

 どうやら、悪気があって言った訳では無いようですわね。


 まぁ、夫は優しいですから、そこは疑いようもないのですが。


 ですが、妹の、美しさとはいえ人外とは・・・・いい気がしませんわ。

 

 とはいえ、妹であるレイアの容姿に関して、私も思うところはありますわ。


 あの子は、髪も瞳も顔立ちも母親譲りで、私も弟もそうなのですが、美しさは段違いなのです。


 どこが、とは言われてもわかりませんが・・・・


 そう、言うなれば


「オーラが違う。後は顔のパーツが黄金比ってところかな。本当に容姿に関しては非の打ち所が全くない。まるで美の女神様みたいだし、どこか神聖な感じもするんだよね。そのレイアに惚れて、一人の女性として大事にしているライナーはすごいと思うよ」


 夫の言う通りですわ。


 私達家族ですら、レイアには遠慮してしまいますから。


 可愛くて大事な妹であることに変わりは無いけれど、もし、性格まで完璧な淑女だったら、妹に対して畏怖してしまってもおかしくありませんわ。


 幸いなことに、レイアは面倒くさがりという欠点が・・・なぜ、あぁなったのか、気づいた時には面倒くさがりやさんだったんですわ。


 容姿も中身も全て受け入れて、レイアという存在を愛する人が現れたのは幸運なことでした。


 ほんとうに、お嫁にいけないのではないかと冷や冷やしましたわ・・・・


 レイアも一目惚れしていたようですし、本当に相性がよかったみたいですわ。


「ねえ、レイナ。あの子は、恋をしたから、これからさらに美しさに磨きがかかると思うんだ。ライナーはその美しさに気圧されたりするかな?」


「私達はともかく、ライナーなら大丈夫でしょう。遠くから一目見ただけで惚れて、五年もかけて恋を成就させた男ですのよ? レイアが美しくなるたびに、ベタベタの甘々になってより愛が深くなりそうですわ」


 う、思っただけで胸焼けが・・・・


 あの、桃色空気はすさまじかったですわ・・・・


「ふふ、アルフレッドから愚痴られたよ。雰囲気が甘すぎて文句も言えないってね」


「まぁ、でも、これでアルフレッドも婚約者と結婚できますわね」


「あぁ、公爵家の一つ下の令嬢だったか『妹に婚約者すらいないのに俺が結婚できるかぁぁぁ』とか言ったんだっけ。それを許して結婚を先延ばしにした婚約者の令嬢がすごいよね」


「全くですわ・・・。アルフレッドには感謝と謝罪するようによぉぉぉく言ってありますから、すぐにでも式は開始されるでしょう。すぐにできるように事前準備はとっくに終わってますから」


「でもさ、その令嬢レイアとは面識ないんだろう?」


「えぇ。おそらく式の時に始めて顔を合わせるかと」


「僕も滅多に見れないから楽しみだな。それにアルフレッドは良い感じに尻に敷かれそう」


「勝手な都合で先延ばしにしてきたのです。それくらい当然ですわ」


「女性は強し」


「ほほほ。夫を支えるのが妻の役目。強くて当然ですわ」


 残念ながら、どこも男尊女卑といったところでしょうか。


 とはいえ、夫のように、女性の立場を卑下しない方もいますが、もっと女性に活躍の場を与えられるように変えていきたいものですわね。


「でも、そうだな。レイアはどこに出て来ても目立つ。アルフレッドの結婚式の時はちゃんと考えないと、主役が脇役になりかねないね」


「そうですわね。でも、レイアは、表には出てこないと思いますわ。面倒くさいというのもありますが、あの子は自分が出ることで、その場がどうなるかを分かってますから。私達の時もそうでしたでしょう? ライナーと婚約してるとはいえ、そこは変わらないかと」


 ライナーもライナーで『レイアと二人きりだ!』とか言って喜びそうですし。


 もっとも、サーヤは必ずレイアの傍にいますから、二人きりというのはあり得ませんが・・・でも、主人であるレイアが大好きなサーヤですから、気を利かせてということも・・・


 まぁ、間違いさえ起こらなければいいですが、そこはライナーの紳士ぶりを見せて貰いましょう。


「ライナーは喜んで付き合いそうだ。うん、ほんとあの二人は相性がいいみたいだ。ライナーもかなりの人気物件だったけど、相手がリーデンの第二王女となれば誰も文句は言うまい。もしそういう事があれば、一目レイアを見れば一発だろう」


「レイアは、私達の天使ですもの。天使のような可愛く美しいレイアに文句がある方達がいたら・・・ただではおきませんわ」


 ピシッ


 おっと、扇子が折れそうですわ。


 つい、強く握りしめすぎたようですわね。

 

「うん、ほんとレイアがらみになると君たちは怖いね」


「まぁ、怖いだなんて心外ですわ。でも、レイアのためなら手段は選ばないでしょう」


 もっとも、そうなったら、ライナーが真っ先に何かするでしょうね。


 アルフレッドがいうには『あいつ、レイアがらみになると、まじ怖い。笑いながら人も殺しそうだ』とか言ってましたから。

 

「さて、今年はリーデンでアルフレッドの結婚式。来年はこの国でライナーとレイアの結婚式、めでたいことが続くのは幸せなことだね」


「もっと幸せに出来るように、頑張らないとですわ」


「そうだね。さて行こうか、愛しのレイナ」


「はい。あなた」


 





 この世界には、力、美、知、富、愛それぞれを司る神や女神がいるとされてます。


 私の妹のレイアは、天使のような美少女でしたが、恋をしてからは、女神のような美女になりました。


 ますます、美しさに磨きがかかるレイアは、きっと、美の女神様に愛されているのでしょう。


 たとえ、その美しさが人を越えていようとも、神聖な神秘的なオーラが滲み出ていようとも、レイアは私達の家族なのです。


 可愛いレイア。運命の人と出会えたあなたは幸せになりなさい。


 面倒くさがりな性格まであなたは愛されたのですから。



お姉様の旦那さんは本編では出て来てませんし、シスコン兄の婚約者も本編には出て来てませんが、今後番外編に出します。

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