番外編・双子は見た
ライナーの双子の妹視点の話。
本編では、2歳下とありましたが、7歳下に大幅修正しました。
私達双子のマリーとエリー!
私達のお兄様は、ずっと誰かに片思いしてたみたいなんだけど、その相手が、リーデンの天使と言われている第二王女様でした。
お兄様は、すっごいモテます。
縁談の申し込みも続々来ていて、お父様が大変そうでした。
けど、お兄様は、縁談を拒否拒否拒否・・・・片思いしてるんだから当たり前だけど、片思いする前から「まだ興味ない」って拒否してたみたいなのです。
そんなお兄様は、あるときから、ぼーっとすることが多くなりました。
でも、やることはしっかりとやってるし、優秀です。
自慢のお兄様なのです!
そんなお兄様は、ぼーっとすることが多くなる他に、にやにやしたり、頻繁に手紙を出したり、返ってき手紙を見てホッとしたり、挙動が怪しいときもありました。
そんなお兄様でも私達は尊敬してます!
なんか独り言を、ブツブツ言っててちょっと怖くても、お兄様はお兄様なので問題ないのです。
そんなお兄様の様子が変わったのが、おかしくなってから一年後くらい。
使用人達になにやら説得し回ってるようでした。
私達の世話をしているメイドが言うには、リーデンの第二王女様との婚約の賛同を取り付けてるとか。
おかしい話なのです。
わざわざ使用人達に言う必要はないのです。
お父様とお母様に言えばいいのですから。
でも、その後に続くメイドの話を聞いて納得しました。
リーデンの第二王女様は、とっても面倒くさがりだと。
天使のような美しさに可愛らしさだが病弱なため外にでられない。私達はお父様からそう聞いてました。
面倒くさがりというのを隠すために病弱としたのでしょう。
お兄様は、家を継ぎます。
そのお兄様のお嫁さんとなるには、面倒くさがりというのは問題なことくらい私達にもわかります。
だからお兄様は、その事を屋敷全員に伝え、説得してるのでしょう。
お兄様の気持ちは生半可なものではないのは、よく分かります。
なので私達は、お兄様からその話をされたとき、すぐに賛成しました。
だって、お兄様が見初めた方ですからきっと大丈夫だと思ったからです。
さて、そうして屋敷に、リーデン国の第二王女であるレイア様がいらっしゃいました。
レイア様は、想像以上に美しい女神のような方でした。
この方が義理姉様にとなると、とっても嬉しい反面、なんだか申し訳ない気もします。
そこにいるだけでオーラというか、そういうものがあり、どこか儚げで神秘的で・・・そして跪いてしまいそうな。
不思議な方です。
でも、お兄様は、そんな風には思ってる様には見えず、桃桃色の幸せオーラを出しながらレイア義理姉様をエスコートしてます。
もちろん、私達にもあいさつしてくれました。
レイア義理姉様は、とっても優雅に美しいお辞儀をしてくれました。
その動作一つ一つに見惚れてしまいます。
お兄様は・・・・顔がだるだるです。
普段のかっこいいできるお兄様はどこにもいません。
今にも鼻血を出して倒れそうな感じです。
あ、鼻抑えた。
それでも、私達はお兄様を尊敬します大好きです!
見てて面白い・・・・
レイア義理姉様も幸せそうです。
桃色空気振りまきすぎです。
甘々すぎて胸焼けしそうです。
私達もいつか、こんな熱烈な恋をするのでしょうか?
んー
相手は私達と同じ双子を所望します!
まぁそれはともかく、お兄様と義理姉様は屋敷内を巡って、お父様とお母様とお話して、お兄様の部屋に行きました。
うん、婚約者とはいえ結婚前なのに部屋に二人きり・・・・ずっと義理姉様の傍にいたかっこいいメイドさんは部屋の前で待機してます。
いいのでしょうか?
あ、メイドさんが動きました。
・・・・
ちょっとくらいならいいですよね?
「マリー、少し開けるよ」
「うん、少しだけ開けよう」
気になります。
そして、私達はゆっくりと、ドアを少し開けて・・・・
「「・・・・」」
ゆっくりと閉めました。
何を見たかって?
お兄様が義理姉様を膝にのせて本を読んでました。
男女のあれやこれを期待していたのですが、残念です。
「マリー様、エリー様、どうなさいましたか?」
「「なんでもないです!」」
メイドさんが戻って来ました。
カートをひいてます。
カートの上にはティーセット。
メイドさんは、お茶の準備をしてきたようでした。
私達は、その場を逃げるように後にしました。
「「お父様!!」」
「む? どうした?」
「「婚約者は双子を所望します!!」」
「いきなりどうした・・・・」
「「お兄様が恨めしもとい羨ましいです。私達も燃えるような恋をしたいです! でも私達は離れるのは嫌なので相手も双子か仲の良い年の近い兄弟がいいです!」」
「そ、そうか」
なんだかお父様が引いてますが、そんなのはどうでもいいとして、要望は伝えました。
それに加えて、私達も自分たちで相手を探さねば!
お兄様達を見てると、そう思うのです。
だって、あんな幸せオーラ出されれば誰だって羨ましいと思います。
「頑張ろうねエリー!」
「頑張ろうねマリー!」
マリーとエリーが、結束をしたころ、双子娘から要望を出された父親は・・・・
「むう・・・・双子か仲の良い兄弟か、考えていた相手は当てはまらんな・・・やはり、マリーとエリーを引き離すのは無理か、やれやれ」
頭を抱えていた。
それでも、娘の要望を、なるべく叶えるために父はがんばるのであった。
年齢について少し補足。
本編での双子説得時は、ライナー16歳。双子9歳。
レイアと婚約が成立したときは、ライナー18歳で双子11歳です。