、キ″ゃゑ@まレまぅ⊃カゝレヽ
俺は異世界に居る。
冗談だと思うだろう?
残念だが、冗談なんかじゃないんだ。
どういう理由で俺が異世界に来たかは割愛しよう。
さて、気になっているだろうから言うが、この世界では魔法が存在する。
ただ、呪文を唱えて魔力を消費して、という代物じゃない。
魔法文と呼ばれる物を書く必要があるのだ。
魔法文が書かれたものをスクロールと言う。
スクロールと魔力があれば誰でも魔法が使える。
生活に幅広く使われているそれは戦争にも使われている。
魔法文は一般的に広まっているので書ける人は多い。
ただ、より強力な魔法を発動する魔法文を書くには才能が必要だ。
同じ炎を出すにしても文章によって差が出るのだ。
火が出る。という文章よりも、熱い炎が出る、という文章の方がより強力だ。
それ以外にも文字が重要だったりもする。
日本語で例えよう。
火という字がある。これを、きっちり綺麗に書くのか、殴り書きで書くのかでも違う。
火と言う字をまるで火のようにぐにゃぐにゃに書いたほうがより威力が上がったり、きっちり書くと素直に、魔力の消費が少なく魔法が使えたり、殴り書きだと荒々しく魔力の消費が大きかったりと色々だ。
そして不思議な事に、その文字が読めなかったりすると魔法は発動しない。
魔法文を理解していないと魔法は正しく発動できないみたいなのだ。
魔法は強力だが機密性はないのだ。
そこで、俺は考えたのだ。
異世界の文字を使えばいいのではないかと。
結果から言えばダメだった。
世の中そんなには甘くない。
そこでティンと来た。
ギャル文字というものをつかってみればいいのでないかと。
勿論、日本語ではない。
こちらの世界の言語をギャル文字の法則で組み上げて見たのだ。
すると魔法は発動した。
「おおおおおおおおおぉぉぉぉ!!」
しかも、魔力の消費は少なく、それでいて強力だった。
だが、ギャル文字魔法にも欠点があった。
俺以外には誰も読めないのだ。
日本語で例えよう。
【炎よ掌から真っ直ぐ飛べ】という魔法文があるとしよう。
それをギャル文字で書くと
【レま@ぉょτ@ひらカゝらまっす<″ー⊂∧″】になる。
何故、俺がギャル文字を使いこなせているかって?
それは姉ちゃんがギャル文字を使っていたからだ。
あと、ギャル文字は暗号文として最適だ。
マジで理解しないと読めねえからな。おれが過去に飛べるとしたら日本軍の暗号にはギャル文字を使えと言うかもしれない。
そうして、俺はこの世界でギャル文字を唯一使いこなす、ギャル文字マスターとなった。
俺はギャルの魔法使いと名乗り、この世界で最強の魔法使いとなったのだった。
# # # # # #
「昔、ギャルの魔法使いと言う偉大な魔法使いがいました。これが、そのギャルの魔法使いがつかっていたギャル文字という魔法言語です」
「先生、質問です!」
「なんですか?」
「ギャルってなんですか?」
「さあ、ギャルというものがなんなのかは分かっていません。ギャルの魔法使い曰く、チョベリバ、バイブス、カマチョ、などという特殊な言語を使う生物だそうです。ですがそんな生き物を見たものはいませんので、もしかしたら神の獣に類するものかもしれないと言われています」
「僕もギャルを見てみたい!」
「そうですね、私もギャルの魔法使いが言うこのギャルに会ってみたいです」
ギャルの魔法使いが残した手記
【⊇レヽ⊃ら、≠″ャ」レカゞιωι″ゅぅー⊂カゝレヽっττまぢぅレナゑ】
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【、ナ″ωねω、ー⊂<レニレヽゐ@ナょレヽ、ζ、″ωιょぅτ″ιナニ】
【レヽせカゝレヽι″ωひっιす、キ″ゎзす】
【τカゝ、キ″ゃゑ@まレまぅ⊃カゝレヽっτナょωナニ″ょ】
…………
今も尚、解読が進められている。