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エリの幸せ  作者: J
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第一話

プロローグ


私は今、彼氏の腕の中で目をつぶり抱きしめられている。優しく抱きしめてくれるその腕がたまらなく愛しい。ずっとこのままで居たい。誰にも邪魔されずに二人っきりの空間で。愛情で満たされている、この部屋で。この二年間色々なことがあった。辛かったことも悲しかったことも、嬉しかったことも楽しかったことも。「幸せって何だろう?」そう考えたこともあった。自分は神様に見捨てられた孤独で不幸な少女なんだと、ずっと思っていた。でもそれは間違いだった。そう気づかせてくれたのは私の隣で眠っている、あなた。


私の名前はエリ。4月から高校生になる。合格した県立高校は、県下でも名の通ってる難関高。自分で言うのもなんだが、かなり勉強はした。成績はトップクラスだった。しかし、その反面で流行や世間的な話題からは、かなり遠い存在だった。顔は世間的に見れば中の上くらい。スタイルは昔は痩せていたが、受験勉強をするうちに大分太ってしまった。今の中学では、恋人とは程遠く、クラスでもかなり暗い存在。特に用事もなければ、私に話しかけてくる友達は居ない。しかし、そんな環境もこれでおさらば。中学を卒業したら思いっきり垢抜けて流行を知り、可愛くなってイメチェンするんだ。そう考えていた。


中学の卒業式も無事に終え、両親から合格祝いにもらったお小遣いでイメチェンをした。長くて後ろで結んでいた髪を金髪に染めウェーブをかけた。メイクも自己流(雑誌を参考にしながら)ではあるが、大人っぽくしてみた。ピアスの穴も空け派手目なピアスを両耳で合計3個。太っていた体は食事療法やスポーツジムへ通いながら、ある程度元に戻した。自分で言うのも何だが、かなりのイメチェンが出来て、世間的に言うギャルっぽい可愛さを手に入れたと思う。

これで高校に入学したら彼氏がすぐに出来る。本気でそう考えていた。


しかし現実は甘くなかった...


高校に入るとすぐに科目毎の習熟度別クラスに分けるテストがあった。私の得意科目は文型科目。国語、英語、歴史。よって、その3教科は一番上のクラスに入れた。だが、理系科目の数学、化学は下のクラスだった。別に理系に進む気は無かったから構わないのだが。だが、その数学の授業が地獄だったのだ...

中学時代の地味な私を知る女が数学で一緒だったのだ。そいつの名前はユキ。昔からモテモテではっきり言って私の苦手なタイプ。しかもキャラがかぶってしまったのだ。中学時代のユキは茶髪で長めのストレート。しかし

今は私と同じ金髪のウェーブ。

今考えれば、あのイメチェンが地獄の始まりだったのかも知れない。

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