知らぬは本人ばかり。
久しぶりなので、書き方がちょっと心配です。
「お次のお待ちの方はどうぞ中へお入り下さいませ。」
可愛らしい声と裏腹な姉御系の少女が占いのお客を中へと導く。
重々しい扉の奥に、ストールで顔を覆った占い師が座っている。机の上には水晶や占いに使うであろうカードなどの類なものが並べられている。
「どうぞおかけ下さい。気持ちを穏やかになさって。今日はどうなさいましたか?あなたの心の悩みを分けてくださいませんか?」占い師は伺う。
少しして、相談者が
ぽつりぽつり話し始めた。
「夜会で出会った方の事が忘れられなくて、、。レオルド公爵様のことが忘れられず、、、身分違いの方なので、あの方に相応しくないとわかっているのですが、少しでも望みがあればと、、。はっきりと望みがないとわかれば気持ちの整理がつくと思うので、占い師様に占って頂きたいと思いまして。占い師様、どうなのでしょうか?あの方は、私の運命の方なのでしょうか?」
不安と期待の入り混じる眼差しが占い師を見つめる。時間が長いかのように感じたが、そこまでではなく、占い師は水晶を見つめ、手をかざしながら胸の内で唱える。(聖霊の神よ。この乙女とこの乙女の想い人は、これから先、共に歩む運命かどうか教えて下さいませ。この乙女が幸せになるように。)気持ちを込めると水晶が淡く光映し出されたのが見えてくる。占い師は水晶を見つめ、少し険しい表情をしつつも、見えた事を、相談者の乙女に伝える。
「レオルド公爵様と
の事でございますが、、、少々山あり谷ありな事がありますが、それを乗り越えられれば望みがありますが…。お辛い事が多く試練が待ち受けていると思います。乗り越えられると強い気持ちを持てますか?そうでないのなら諦めた方が宜しいと思います。幸いに、二年後にも良縁があるとでております。どちらを選ぶかはあなた次第です。よく考えてみて下さい。」
相談者は、占い師の言葉を聞き、不安と驚き、安堵したようにも思えたが迷いがあるように見える。
「早急に決めるのではなく、あなたの心はどうなのかを見つめ決めるのが良いでしょう。それと、決断するきっかけとなる事が近い日に起こると出ておりますので、そのことを踏まえて決めれば不安がなくなると思います。どうか幸大き幸せが舞い降りますように。」
聖霊の神のお言葉を告げ、フワリと顔を覆っているベールから微笑みを浮かべ占いの終わった事を伝える。
相談者(乙女)は、占い師にお礼を言い帰って行った。良い運命の人に出会える ことを祈るばかりだと思いつつ見送る。
「占い師様、お次の方をお通ししてもよろしいですか?」
可愛らしい声と裏腹な姉御系な少女が占い師に伺う。
「ええ。お通しして下さい。」
次の相談者(乙女)が入ってくる。
今日も、悩める乙女の味方にと見た目と裏腹に気合い?もといやる気満々なユリアだった。
そんな感じで、日々評判が上がり本人の知らぬ間に『有名な占い師』になってしまっていた。知らぬは本人のみ。さて、いつ気が付くのやら。
気がついたら直していきますが、不慣れなので少しずつ慣れていけたらと思いますm(_ _)m