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ワガノワ・メソッド:キーロフ出身の漢がバレエの真実をぶった切る  作者: はまゆう


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第2話 【警告】肩・肘・手首、この順番間違えたらお前の腕、死ぬぞ。

「もっと手首、使って!」


スタジオでそんな声、聞いたことあるだろ。

バレエ教師どもがさも大事そうに言うんだよな、このセリフ。


でもな、ちょっと待て。


手首だけで動かしてる腕、見たことあるか?

まるで死んだ魚みたいにプルプルしてて、

肩は上がってるし、肘はロックされてるし、

見てるこっちが辛くなるやつ。


お前、それ、「表現」って言ってるけどな、

ただの「自傷行為」だから。


---


ある日、楽屋で起きた「絶望」


今からもう何年も前になる。

楽屋で若いダンサーが、鏡の前で必死に手首を動かしてた。


「もっと情感を出したいんです!」

って、目はマジだ。


俺、その時、何て言ったと思う?


「その手首、いつ切断すんの?」


空気、凍ったよ。

でもな、本気で言ったんだ。


だって見てみろよ。

肩は耳の近くまで上がってる。

肘は固定されて、関節がガチガチに鳴ってる。

それで手首だけ、必死に「情感」ってヒラヒラさせてる。


そのうち本当に壊れるぞ。


---


ワガノワ式「腕の解放順序」、これが正解


よし、じゃあ教える。

ワガノワで何年もかけて身体に叩き込む、「腕の解放順序」。


これ、順番間違えたらマジで終わりだからな。

よーく聞け。


1. 肩 ― 「吊るすな、乗せろ」


まず最初にやることは、肩の「セット」だ。

ここでいう肩ってのは、肩関節だけじゃない。

肩甲骨と背中まるごとの話だ。


お前ら、よく肩から腕を「吊るして」ないか?

ハンガーにかかったコートみたいに。


ワガノワではな、腕は吊るさない。

「背中に乗せる」んだ。


具体的にどうするか。


まず首を長くしろ。首が縮んでると肩は絶対に下がらない。

次に肩を「下ろす」んじゃなくて、背中の方に「広げる」イメージ。

鎖骨は横にスーッと伸ばす。


ここが「支点」として安定して初めて、

次のステップに進める。


この段階で肩が上がってる奴はな、

その後どれだけ肘や手首をいじっても無駄だから。

一生、不安定な腕で踊ることになるぞ。


2. 肘 ― 「曲げるな、舵をとれ」


次は肘だ。

ワガノワではな、肘をめちゃくちゃ大事にする。


なぜか。


肘は「力の方向を決める舵」だからだ。


肩から生まれたエネルギーを、

どこに、どんな角度で送り出すか。

それを決めるのが肘の役目だ。


肘が落ちてる腕、見たことあるだろ?

あれ、全部「重く」見えるんだよ。

せっかく背中からエネルギーが来ても、

肘が下向いてたら、そのまま床に垂れ流し。


肘が固まってる腕もヤバい。

あれ、全部「板」になる。

エネルギーが指先まで届かない。


正しい肘ってのはな、

わずかに空間を保って、

背中からの力を受け取って、

指先に「次、お前な」ってバトンを渡す中間管理職みたいなもんだ。


この肘の感覚がつかめて初めて、

腕は「生き物」になる。


3. 手首 ― 「最後に、余韻で」


さあ、ここでやっと手首の登場だ。


でもな、ここが一番誤解されてる。


手首は「原因」じゃない。

手首は「結果」だ。


何言ってるかわかるか?


肩と肘が正しく連動したとき、

柔らかさは自然に末端へ流れる。

手首を「動かそう」とするんじゃない。

最後に、余韻として、自然に「解放」されるんだ。


これを逆にするとどうなるか。

手首から先に動かすと、

肩と肘は置き去りにされる。

結果、肩は上がり、肘はロックされ、

手首だけが宙を彷徨う。


それ、よくある「やらかし」ダンサーの完成図だ。


---


なぜこの順番が「安全」なのか、解剖学的に説明してやる


「なんでそんな順番守らなきゃいけないんだよ!」

って思う奴、いるだろ。


いいか、身体の構造上、こうなってるんだ。


肩:可動域が広い。つまり不安定になりやすい。

だから最初にちゃんと「支点」を決めないと、ずっとふらつく。


肘:構造は単純。でも力の方向を決める「要」。

ここが決まらないと、エネルギーが拡散する。


手首:めちゃくちゃ繊細。負担が集中しやすい。

末端から無理に動かすと、小さな関節に負荷が集中して、

確実に壊れる。


中枢(肩)から順に解放すれば、

力は全身に分散する。

末端から動かせば、その部分に全負荷がかかる。


つまり何が言いたいか。


手首だけで表現しようとする奴はな、

自ら手首を壊しに行ってるのと同じなんだよ。


「表現」って名前の自傷行為。

やめとけ。マジで。


---


子どもに見る「危険な兆候」


俺、子どもに教える時、特に見てるところがある。


子どもってな、指先だけ動かしたがるんだよ。

で、肘は固定。肩は耳に付くか付かないか。

まるでロボットみたいな動き。


でもな、それは子どもが悪いんじゃない。

教える側が「きれいな手」だけを求めて、

順番を教えてないからだ。


「きれいな手」ってなんだ。

形だけ整えればいいのか?


違うだろ。


まず背中を感じろ。

肘を空間に浮かべろ。

最後に指先がついてくる感覚を育てろ。


これをやってる子とやってない子、

5年後、10年後、次元が変わるぞ。


---


結論:お前の腕は「装飾品」か「楽器」か


ワガノワの厳密さを「形式主義」って言う奴がいる。

「細かいことにこだわりすぎだ」って。


でもな、それは違う。


肩 → 肘 → 手首


この順番を守るってことはな、

安全に、深く、長く踊るための「約束事」なんだよ。


この解放の流れが身体に刻まれたとき、

腕は「装飾品」から「音楽を運ぶ器官」に変わる。


ワガノワ特有の「丸さ」って言うだろ。

あれはな、形じゃない。

この連鎖の結果なんだ。


---


次回予告


次回は、「丸さ」とは何か。


お前らが「丸くしなさい」って言われて、

いつも形だけ真似してるあの謎の感覚。

実はそれ、全部間違ってるから。


「丸い腕」を手に入れたかったら、

次回、ちゃんと読め。

一生ものの秘密、教えてやる。


---


いいなと思ったら応援しろ。

次回、待ってるぞ。



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