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~鈍感な転生者、愛され続けて世界一の権力者になっており。~ 人間関係はよくわからないけど、とにかく教師になりたいです!  作者: 柳仁楓音
貧乏領地の一人娘

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1/7

残業がえりは気を張って帰宅しましょう!

 「田中先生、これっ、片づけといてね」

同僚の愛先生が大量のプリントをドサッと私のデスクに置いた。


「はいっ!」私はにっこりと愛先生に笑いかけた。

_わわっ!いつもよりも相当多いなっ!

頑張りがいがあるぞぉ!!私は胸の前でガッツポーズを作り、瞳に炎を浮かべる。


「…チッ」愛からの憎いとばかりの視線に気づかずに。

そう、彼女は筋金いりの鈍感女子なのである。


「田中先生、手伝いますよ。」3年生主任の吉田先生が声をかけてくれた。

「ありがとうございます吉田先生!助かります!」


「……田中先生、つらくありませんか。」吉田先生が凛々しい眉をたてにしてパソコンの場面にかおをむけながらいった。

「?仕事がですか?私はこの仕事に誇りを持っているので、つらくなったことはありませんっ」


小さい頃から教師になりたいと思い、勉学に努め、お茶の水大学を卒業。卒業した後は地元に戻って、私の恩師に出会った小学校で働いている。校長先生と教頭先生にあなたは期待の星だ!と後押しされ、新任にして4年1組の担任を任せていただけた。

とってもとても光栄だっ!!学校に入った春からの時間はほぼ一瞬。もう冬の本番だ。


「田中先生が気にしてないなら…いいですけど。」「?」

まぁ、私が想像していたよりも少し仕事量が多かったけど、この仕事ひとつひとつにやりがいを持っている。ああ、なんて私は幸せ者なんだろうっ!


 「終わったぁぁ!!」

目の前のプリントを吉田先生と協力してすべて片づけた。私は大きく伸びをした後、時計に目を移した。__10時40分か。だいぶ遅くなってしまった。


「すみません吉田先生、こんな遅くまでつきあってもらっちゃって。」

「ああ、いえ、お気になさらず。田中先生、家まで送りましょうか?」

「いえいえっ!うち、意外と近場ですので!大丈夫ですっ!」

「そうですか。じゃあ、鍵閉めとか僕やりますんで。田中先生、先帰って大丈夫ですよ」

「何から何までありがとうございますっ!では、お言葉に甘えて先帰ります!今日は本当にありがとうございました。」私は吉田先生と一連の会話をすませ、職員室のドアを閉めた。


__今日はなんだか疲れが出てるなぁ

好美は今までにないくらいの疲労感に、千鳥足になりながらよろよろと帰路を歩いていた。

ふわぁぁと大きなあくびをし、少しだけ目を閉じてみる。ひんやりした空気が皮膚に刺さっていく

「さぶっ!」私はコートの上に手を置いて、少しでも暖を取ろうとする。

少しだけ垂れてきた鼻水をすすって、歩くペースを少し早めた。あたりは真っ暗で電灯もほとんどついていない。


 私は道の反対側に移動しようと車道を横断した。

その時だ。キキーッという急ブレーキ音が真横で鳴り響いた

『右、左、右をみて、横断歩道をわたりましょう!』

生徒たちに厳しく指導していた内容が、最後に頭にうかび、目の前は真っ暗になった。


 「…ナ様!ミリーナ様っ!」

ん…、まだ眠い…。私は布団を強く握った。

「ミリーナ様っ!いつまでお昼寝をなさるおつもりですかっ!」

怒った声の誰かは、布団を引っ剝がした。

「さっ、寒っ!!!」

「もうっ、サンのコクが過ぎてしまいましたよ。ジェラルド様がお待ちしておりますっ!」

「……だれですか。泥棒?」

わたしは、部屋にいるはずのない人にほとんど驚きはしなかった。それより…


「わっ!何?このこえっ」いつもの私よりもひとまわりほど高く、伸びやかな自分の声に一気に目が覚めた。

「失礼しますっ!」私は寝かされていたベッドから跳ね起き、壁に立てかけられていた姿見の前に立った。

「だ、だれ…??」そこには緑色の寝ぐせたっぷりの髪の毛と、とても私の寝起きの変貌とは考えつかないほどの整った顔。けれどもまだ幼さが残るような女性が映し出されていた。


「まったく…、まだ寝ぼけてらっしゃるのですか?さっ、身支度を済ませてすぐにジェラルド様のもとにっ!」

メイド服の女性は神業とばかりの動きで私(?)の寝巻らしきドレスを脱がし、違うドレスを着せ、寝ぐせを全て整えた。「ちょっ、ちょっとまって…」「はい?もう少しでございます。」顔におしろいのようなものをはたき、「終了です。さぁ、お急ぎになられてください」と部屋の外に押し出された。


「ムギュッ!!!」押し出された先には、かったい壁があり、メイド服の女性は私を壁に押し付けるような形になっている。…く、くるしい……。


「ジェ、ジェラルド様、なぜここに…」メイド服の女性はありえないっと言わんばかりの声色で言葉をこぼした。メイド服の女性が私を押し出す手を緩めたので、そのすきに抜け出し、パッと顔をあげた。


「ここにいると聞いたからな。待ちくたびれてな。」

温度を感じない声色で言ったのは…、パーマのかかったような黒髪に、鼻筋が整った小さな顔の…

「イケメンっ!?」

こんにちは。仁音です(o^―^o)ニコ

お読みいただきありありがとうございます。

不定期に投稿しようと思っているので楽しんでいただけたら幸いですっ!

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