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※この物語はフィクションです。
地球温暖化のせいか、近頃は四季の中でも春秋はめっきり短くなった。9月も終わりまで30℃を超える暑さが続いていたことは、私が見ていた幻であったかのように、10月に入ると途端に寒くなり、気づけば秋も終わろうとしている今日この頃である。
「暑いな」
そう思って目を覚ますと、時刻はまだ7:15。普段起きる時間より15分も早いじゃないか と、朝から少し損をした気分になってしまった。
仕方が無いので布団を出てリビングへ向かうが、足取りは重い。何故なら今日は月曜日で、また憂鬱な5日間が始まろうとしているからである。
今年の四月に勤続3年目を迎えた会社では、ここ半年ほどウンザリする日々である。何がうんざりかって? まぁ簡単に言うと人間関係である。
今週はどんないちゃもんを付けられるやら、考えるだけで気が重くなるが、食べていくためにはお金が必要で、今の私は会社に行かねばならぬのです。
起きたらまずはうがい手洗い、日課であるTwitterの巡回をしながらはみがきを30分程度、紺色の作業着に着替えたら、準備は八割方完成である。申し訳程度に化粧をして、そういえば昨日の残り物のカレーがあったなと、朝からカレーを食べる。そんなこんなでもう家を出る時間である。
私の務める山王電子部品は、家から車で15分の距離にある。通勤中の車の中でタバコを吸うのが私のルーティーンだ。もう会社に着いてしまうなと憂鬱な気持ちになっていると、車のオーディオから「健康な体があればいい、大人になって願うこと 心は強くならないまま、耐えきれない夜が多くなった」と藤くんの歌声が聴こえる。本当にその通り、全力で同意したい。なんて素敵な歌詞なのでしょう。
そんなこんなで会社に着くと、私は2階の隅にひっそりと佇む「在庫整理室」へ向かう。
《彼女》はもう来ているだろうか?
それを考えるだけで、胃の辺りがピリピリした。
初めての投稿です。お手柔らかにお願いします。