お泊まり勉強会
あれから程なくして、俺と渚と未来は昼休み、いつもの空き教室で勉強をしていた…のだが…。
「ここはこの公式を使うの!」
「ここはこうだって!」
「何してるの?そんなこと勝手に書いたらダメなんだって!」
…俺たちは思っていたよりも頭が悪かったらしい。
未来がものすごい形相で教えてくれているが…これ以上なにかやらかすと命に関わる気がする…
…と、思った俺は、一旦休むことに。
「2人とも、一旦休憩しないか?」
…そんな俺の言葉に、嬉しそうな目を向ける渚と、明らかに不機嫌そうな目を向ける未来。
「休んだ方がいいと思うのは私もなんだけど…このペースじゃ終わらないよ?」
…うぐ、痛いところを突かれてしまう。
「一緒に勉強できるのが昼休みぐらいしかないからなぁ…」
時間は有限である。こんなことをしてる間にも、段々と赤点は俺たちの背後へと忍び寄ってきている。
「あ、じゃあ放課後うちで勉強する?」
「いいのか?お邪魔して、未来の家ってまぁまぁのお屋敷だろ?」
1回だけ見たことはあるものの、実際に足を踏み入れたことはない。
恐らく渚もだろう、そんなお屋敷に入っていいのだろうかと俺と渚が心配していると…
「うちは基本放任主義だから大丈夫だよ〜、なんなら泊まってく?」
―と、未来の口からとんでもない発言が飛び出すのだった…