幼馴染のことを好きになっちゃった!?(渚視点)
私の名前は矢野渚、津崎翔の幼馴染だ。
今は翔と一緒にいつもの部屋で授業をサボったあと…なんだけど…
「なんなの…アイツ…」
私は、翔と…キスをしてしまっていた。
しかも翔は全然気にしてない感じ!
何なのあいつ!ムカつく!
嫌でも、幼馴染としてあいつを好きになってるなんてことは絶対にありえないはずで…
「頭がパンクしそう…」
いや、考えるのは辞めることにする。
「どうしたの?」
…と、急に私の机の前に未来が顔を出していた。
「特に何も無いわよ?」
「いや、でもめっちゃ独り言言ってるし悩んでるし」
しまった。声に出ていたらしい。
「まぁちょっと考え事してたのよ」
「どうせ渚の事だし翔のことでしょ」
「なんでそうなるの!?」
いや、実際問題そうなのだから否定もしにくいのだけど…
「まぁ、大丈夫なら早く帰ろうよ〜」
「ごめん、今日は用事あるから先に帰っておいてもらえる?」
正直一緒に帰りたい気持ちはあるのだが…こればっかりは譲れない用事なのだ。
「あー、いつものやつ?」
「そう、だから翔と帰っておいて」
「分かった!じゃあ翔口説きに行ってくる〜!」
「口説くのはやめなさいよ!?」
鼓動が早くなっているような気がする。
もしかしたら私は、未来に嫉妬しているのかもしれない…
…ということは私は…
「翔のことが…好き…?」
―私は、自分の気持ちに気づいてしまったのかもしれない。
だが、私がこの気持ちを翔に伝えることはない。なぜなら、この気持ちは絶対に成就しないのだから…