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目が覚めたら夢の中  作者: 説那


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回想 出会い

 私、テラスティーネが、カミュスヤーナ様と初めてお会いしたのは、6歳のとき。

 母を病気で亡くしたばかりの私は、毎日泣き暮らししていました。

 私も母を追って儚くなりたいと、何度も思ったものです。


 ある日、領主様より屋敷にくるよう命ぜられました。

 領主様は私の母の兄にあたります。

 目の前で跪く私を見て、領主様も領主夫人も痛々しそうに顔をゆがめました。

「テラスティーネ。貴方、ちゃんと食事はとっているの?こんなにも細くなってしまって」

 領主夫人は私の手をとり、甲を優しくなでてくださいました。


 正直、母が亡くなってから、食欲がわかず、侍女に泣かれんばかりに懇願されるので、形ばかりの食事をとっていました。

 そのため、私の手足は細くなり、子どもであるにもかかわらず、頬はやせ、肌色も青白くなっていました。

「そなたはしばらくこの屋敷で暮らすこととなった」

 領主様はそうおっしゃられました。

「屋敷には私の息子が2人いる。下の息子は年も近い。きっと仲良くなれるであろう」


 その時、部屋にノックの音が響きました。

「カミュスヤーナ様とアルスカイン様をお連れしました」

「通せ」

 領主様の声を受けて、部屋の中に2人の少年が入ってきます。

 先に入ってきたのは、プラチナブロンドの髪に赤い瞳の少年です。顔立ちが整っており人形めいた印象がありますが、浮かぶ表情は柔らかです。

 その後に入ってきたのは、紺色の髪に金色の瞳の少年です。こちらの方が下の息子さんでしょう。顔立ちは領主様にそっくりです。


「紹介しよう。私の息子のカミュスヤーナとアルスカインだ。カミュスヤーナはそなたの5つ上で11歳。現在は院に通っている。アルスカインはそなたの1つ上で7歳。来年から院に通う。そしてこちらは私の妹の子で、テラスティーネだ。そなたたちの従兄妹にあたる。しばらくこの屋敷に住むことになったから、仲良くしなさい」


「はじめまして。カミュスヤーナと申します。兄と思っていただければ幸いです」

「はじめまして。アルスカインです。よろしくお願いします」

 二人は私の前に跪いて挨拶をしました。

「お初にお目にかかります。テラスティーネと申します。以後、よろしくお願いいたします」

 私は何とか挨拶を返すことができました。

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