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逢魔ヶ高校生  作者: 囀
第1章 入学怪談会編
31/43

十三夜 ハプニング発生(?) 2

「‥‥!!」


 扉の向こうは、暗黒が広がっていた。しかし、灯りの役割をしている灯籠が一つも見ら足らない。闇の世界が一面中覆われているのだった。


 何も見えない。灯りが一つもない。本当に真っ暗なのだ。


 例え光を灯そうとしても、黒い怪物が出てきて明かりを飲み込んでしまいそうだった。俺は、暫く闇の景色を見続けていた。すると、闇の霧のその奥。数秒間だけ、そこでグニャグニャに動く物が見えたような気がした。

 

 あ、あれ‥‥?


 思わず目を擦り、もう一度確認するがもう蠢く"ナニカ"は消えてしまった。


 気の所為?



「おい‥‥、灯籠の灯りは?」



「嘘でしょ? めっちゃ真っ暗じゃん」



 皆も、外の空間を見てブツブツ呟く。その中には、顔を青ざめる者も出てきた。



「こんな危ない所を1人で行くつもりなんですか? 貴方、正気じゃないですよ」



 入り口の前に立つ絲目くんを見て、恋仲さんがそう言い放つ。彼女の目は、暗闇であまり見えないが眼鏡に秘められたその瞳が真剣な眼差しで見つめていた。鋭い表情をしているのがよく分かる。



「だから言ったろ? 大勢で行動するより誰か1人で行った方がダメージは少ない。何より、俺達のクラスには丁度凄腕の祓い屋もいる。何とかなるだろ」

 


「でもお前、妖怪でも上位を争うくらいの強さだろー? 御曹司だし次期当主様なら尚更、俺達で行くぞ」 



「次期当主‥‥‥ね。ふぅん。別にお坊ちゃん扱いなんてしなくて結構。あんなのただの面倒臭い家族ごっこなんかいらねぇっての」



(うわぁ‥‥、絲目くんアンタ随分と捻くれ者っスね)



「成る程、やはり権力のある者の考え方は全く理解出来ないものです。他にも貴方みたいな考え方を持つ者が居ると考えるととても哀れに思います」


 恋仲さんが怪訝な顔をして結羅くんに言い放った。しかしその態度に何も動じず彼は余裕げで、

 

「ふん、勝手に言ってくれ」


と構わず暗い闇道に足を踏み込んだ。そして、結羅くんが歩き始めたあと、恋仲さんがわなわなと震えながら声を上げた。



「な、何何ですか‥‥、あの生意気な態度‥!」



 こ、恋仲さんめちゃくちゃ怒ってる‥‥。何だろうか、彼女の後ろに般若の面が背後霊になって現れてるようにオーラが悍ましい。



「大体、自分の身ぐらい自分で守れます。本当、子供扱いしないで欲しい‥余計な気遣いです」


「まぁまぁ、心待ちゃん! 少し落ち着きましょう? 私が心待ちゃんを癒せるようぎゅーしてあげるわ♡」


「茉凜さんは少し黙っててください(即答)」


 「えー! 心待ちゃんの意地悪! 折角なんだからもっと私に甘えて頂戴!」と恋仲さんに近づきながら発する氷見谷さんに対して、うざったそうな顔をする恋仲さん。


「‥‥」


 そして、その反対側では何故か美留町さんが暗く元気がない様子で、座り込んでいた。


「美留町さん‥大丈夫?」


 俺は、1人俯く彼女に声をかけた。すると俺の声に気がついた美留町さんがハッとした表情を浮かべ俺の方を見つめた。


「! あ、春夏冬くん‥‥」


「美留町さん、体調悪いの? なんだか顔色が良くないから」


「いえ‥。平気です。ただ、今起きている状況を整理するのに大変だと思っただけですから‥」


「そっか‥‥。きっと、何とかなるさ! 俺や皆が居るし、1人で抱え込む心配はないよ! まずは絲目くんの帰りを待とう!」



 俺がそう言ってガッツポーズをすると、一瞬驚いた表情を見せるも直ぐにいつもの凛とした顔に戻した。



「ええ‥‥、そうですね。今は絲目さんが帰ってくるのを待ちましょうか」



「うん!」


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