十二.五夜 青薔薇の秘密 (語り終了後)
「その後少年は、青薔薇が生まれた事に興奮で持っていた花瓶の破片で自分の首を切った。先生達は急いで駆け寄るも二人は手遅れだった。それから時代は進歩し、本当の青薔薇を咲かせることに成功した。この青薔薇はその少年の怨念を鎮めるために飾られているって言われているんです」
「ま、まじかよ‥‥‥」
皆が顔を青ざめる中、俺は話すことを続ける。
「そう考えると物凄くゾワゾワしませんか?綺麗綺麗と褒め称えられ、何輪ものの青薔薇が美しく咲く裏で誰もが怯んでしまう悍ましい真実がある事に。まさかこんな言い伝えが有るなんて俺自身驚きましたよ。やっぱり、"得体の知れない何か"は見えないだけ、知らないだけで、俺達の側にいるんですね」
"これで、俺の話は終わりです"そう呟き、最後の一本の蝋燭を消した。目の前で燃える赤は、煙を巻いて空中へと旅立っていった。
「な、な、何何だよ‥‥その恐ろしい話‥!」
「その月野中学校マジでヤバいっスね‥‥。青薔薇って言うからてっきりロマンチックな方かと思った」
「これぞまさに、"綺麗な花には棘がある"ですね〜♪」
「お前そんな学校行っててよく呪われなかったな」
周りから青薔薇の話について色々な感想が聞こえてきた。中には、"そんな学校に行ってて怖くないの?"などと、俺に対する心配の声もあった。
「青薔薇が咲いてる学校なんて珍しいです。初めて聞きました」
美留町さんは、そう言って目を見開かせた。向かい側に座っていた影京くんも"だよなー"と賛同する。
「まぁ、青薔薇ってあんまり見た事ないじゃん?花屋に行けば売っていると思うけれど、庭に咲いてるって豪邸じゃあるまいし‥」
「でも、青薔薇の庭があるなんて素敵だわ♡」
「俺も初めて中学校に行った時、青薔薇が何輪も咲いていて綺麗だったの覚えているな〜。まさか、この青薔薇に隠された恐ろしい事実があったなんて本当にびっくりで興奮しちゃったんだ!! ‥‥あ、でもこの話、校内では話題になってたけれど、あくまでも噂だから皆そんなに真に受けてなかったんだ。実はこれも中学校の先輩に聞いた話だから真相は闇の中なんだよね。俺的には、興味惹かれるから本当だといいなって思ったけれど‥‥」
「噂にしろ本当にしろ、どっちもやべーじゃねーか」
「まぁ、研究に没頭しすぎて周りが見えなくなるのは俺もそうだからその少年の気持ち分からなくもないな〜。だって、折角大切にしてた物を壊されちゃうなんてそんなの酷いよ。俺だって、大事なオカルトの本わざとじゃ無かったとしても許せないかも」
「それは、僕も分かるよー?宝物壊されたら祟るって決めてるから」
「幸気ちゃんの宝物って何ですか〜?気になりますね〜♪」
「な‥‥別にお前らには分からなくて良いんだよ」
森咲さんが顔を幸気ちゃんに向けてニンマリとした表情をする。彼は、少し焦った様子を見せて払いのけた。
「何々〜? ケセランパサランの宝物って!!」
俺も興味津々に目を光らせ幸気ちゃんに顔を近づけた。
「げっ‥! 椛お前まで‥‥面倒臭い事になるから、首突っ込まなくていいのに!!鈴僕を助けろ!!」
「無理だよ、こうなったらお終いだからね〜」
「む〜‥‥!!」
何やら鈴とぶつぶつ喋っているのが聞こえてくるが、俺はそれよりも幸気ちゃんの宝物が気になる。
だって気になるじゃん!妖怪の大切な物!!ケセランパサランなら尚更、幸運の象徴の方が大事にしている物ならそれはとても縁起の良いものに違いない。
「きっと、中学時代で作成した手芸品じゃないっスか〜?」
「いや、どっちかって言ったら幸気ちゃんは裁縫される側じゃね?」
「それな〜!!」
「‥‥‥ふっ」
「ちょっとお前ら何失礼なこと言ってるんだよ!! あと絲目今鼻で笑ったな!!しらばっくれても無駄だから!」
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