九夜 元気の良い人
第16部分に
"七.五夜 さなちゃん (語り終了後) 2
を割り込み投稿しました!
途中から、話が変わってて意味が分からなくなった方が居ると思います。本当にすみません!
(主人公(この話の)視点で話します)
〜〜〜
私元々恥ずかしがり屋で、人前で話すのがとても苦手だったの。だから当然、誰かとすれ違う時に挨拶をするのにとっても緊張するんだよね。
それでね、今日も大学に行く途中いつものように人と出会った。
うわ‥‥、またか‥。嫌だな〜。
相手との距離が近くなるたびに、胸がドキドキしちゃって早く学校に着かないかな〜ってよく思うのよ。
それで、そのまま前を歩いてたらその人と目が合っちゃったわけ。真っ青な洋服がとっても印象的な男性だった。
びっくりして、思わず声をあげそうになったんだけど、何とか必死に堪えたわ。もう、心臓が飛び出ちゃいそうだった。
そしたら、その人にっこりとした笑顔を浮かべて元気よく
「おはようございます!」
って、私の方を見て言ったの。
あまりの大きな声に自分、驚いたと同時に、
「お、おはようございます‥‥‥!」
と勢い余って挨拶し返しちゃった。その途端、顔が一気に真っ赤になっちゃって思わず下をむいてしまった。けれどその人、
「あははは!今の貴方のおはようとても響いてて良かったですよ。いや〜、誰かに挨拶するのって気持ちがいいですよね〜」
そう言ってニコっとお日様のように明るかった。
「そ、そうですね‥‥」
「じゃあ、僕は行くので! では!」
そう言っていつまでも穏やかな顔をしながら、私の後ろを去っていった。
「なんだか、とっても明るい人だったな‥‥」
挨拶のことも褒めてくれて、なんだか胸が弾んだ。
この時私は、''誰かと接する事ができて良かった"と心から初めて思った。
けれど‥。
♫♫♫
授業が終わった後私は家に帰り、テレビの電源をつけた。そしたら、"無差別殺人犯が逮捕された"というニュースが報道されていた。
殺害の理由は、"挨拶を返さなかったから"とのこと。
「やだ‥、事件現場家から近いわね‥‥。ここの所、物騒な事件ばかり起きてるからアンタも気をつけてちょうだい」
丁度リビングに現れた母が私に向かって呟いた。
こんな理由で事件を起こすだなんて、世の中も変わったものだな。
なんて思っていながら、画面を見続けた時、
「‥‥え」
私は目の前の衝撃的なものを見てしまい絶句してしまった。
犯人はなんと、あの青色の洋服を着た元気の良い男性だったのだ。
私に向かって、"良い挨拶ですね!"と愛嬌ある笑顔を見せて去っていったあの人。
あの時は、勢いで挨拶仕返したから良かった。けれどもし、まともに挨拶を返さなかったら‥‥。
そう考えるだけでも、背筋が激しく震えた。
♫♫♫
その日がきっかけで、私は誰かとすれ違ったら必ず挨拶仕返すようになった。初めは、本当に緊張したけれど慣れればこんな簡単な事を何で、昔の私はあんなに苦労してたんだろうって思うと笑ってしまう。
けれど大事なのはやっぱり、人に挨拶されたら無視せずに必ず挨拶仕返すこと。だって、折角声を掛けてくれたのだから、こちらも返さないと失礼じゃない?
それに、何がきっかけで自分がいつ被害に遭うかなんて誰も知らないもの。
だから、皆も挨拶する時は気をつけてね。
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