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逢魔ヶ高校生  作者: 囀
第1章 入学怪談会編
19/43

九夜 元気の良い人

第16部分に

"七.五夜 さなちゃん (語り終了後) 2

を割り込み投稿しました!

途中から、話が変わってて意味が分からなくなった方が居ると思います。本当にすみません!

(主人公(この話の)視点で話します)


〜〜〜


 私元々恥ずかしがり屋で、人前で話すのがとても苦手だったの。だから当然、誰かとすれ違う時に挨拶をするのにとっても緊張するんだよね。



 それでね、今日も大学に行く途中いつものように人と出会った。


 うわ‥‥、またか‥。嫌だな〜。



 相手との距離が近くなるたびに、胸がドキドキしちゃって早く学校に着かないかな〜ってよく思うのよ。



 それで、そのまま前を歩いてたらその人と目が合っちゃったわけ。真っ青な洋服がとっても印象的な男性だった。


 びっくりして、思わず声をあげそうになったんだけど、何とか必死に堪えたわ。もう、心臓が飛び出ちゃいそうだった。


 そしたら、その人にっこりとした笑顔を浮かべて元気よく


「おはようございます!」


って、私の方を見て言ったの。



 あまりの大きな声に自分、驚いたと同時に、



「お、おはようございます‥‥‥!」



と勢い余って挨拶し返しちゃった。その途端、顔が一気に真っ赤になっちゃって思わず下をむいてしまった。けれどその人、


 

「あははは!今の貴方のおはようとても響いてて良かったですよ。いや〜、誰かに挨拶するのって気持ちがいいですよね〜」



そう言ってニコっとお日様のように明るかった。



「そ、そうですね‥‥」



「じゃあ、僕は行くので! では!」



 そう言っていつまでも穏やかな顔をしながら、私の後ろを去っていった。



「なんだか、とっても明るい人だったな‥‥」



 挨拶のことも褒めてくれて、なんだか胸が弾んだ。


 


 この時私は、''誰かと接する事ができて良かった"と心から初めて思った。








 けれど‥。



♫♫♫


 授業が終わった後私は家に帰り、テレビの電源をつけた。そしたら、"無差別殺人犯が逮捕された"というニュースが報道されていた。


 殺害の理由は、"挨拶を返さなかったから"とのこと。



「やだ‥、事件現場家から近いわね‥‥。ここの所、物騒な事件ばかり起きてるからアンタも気をつけてちょうだい」



 丁度リビングに現れた母が私に向かって呟いた。



 こんな理由で事件を起こすだなんて、世の中も変わったものだな。



 なんて思っていながら、画面を見続けた時、



「‥‥え」



私は目の前の衝撃的なものを見てしまい絶句してしまった。




 犯人はなんと、あの青色の洋服を着た元気の良い男性だったのだ。





 私に向かって、"良い挨拶ですね!"と愛嬌ある笑顔を見せて去っていったあの人。





 あの時は、勢いで挨拶仕返したから良かった。けれどもし、まともに挨拶を返さなかったら‥‥。



 そう考えるだけでも、背筋が激しく震えた。




♫♫♫



 その日がきっかけで、私は誰かとすれ違ったら必ず挨拶仕返すようになった。初めは、本当に緊張したけれど慣れればこんな簡単な事を何で、昔の私はあんなに苦労してたんだろうって思うと笑ってしまう。



 けれど大事なのはやっぱり、人に挨拶されたら無視せずに必ず挨拶仕返すこと。だって、折角声を掛けてくれたのだから、こちらも返さないと失礼じゃない?





 それに、何がきっかけで自分がいつ被害に遭うかなんて誰も知らないもの。





 だから、皆も挨拶する時は気をつけてね。

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