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空想と現実と  作者: 猫柳
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濡女1

打ち合わせが終わって帰ろうと電車に乗った。


平日の夜。今日は昼間は晴れていたのに夜から突然、雨が降っている。

仕事帰りの会社員か部活か遊びかで遅くなった学生しか乗ってない車両は

ほぼ全員が携帯画面を眺めているか、眠っているかだ。


同じ時間と同じ空間に居合わせているのに誰も何も知らない。

隣にどんな人が座っているかも分からないのに。



ぼーっと窓を眺めていると停車した駅から、疎らに人が出入りし一人の女性が自分の正面の席へ

座った。

ジロジロ見るのは悪いなと、自分も携帯を取り出し画面を見ていると…


正面に座った女性が声をかけてきた

「雨、急に降ってきましたね」

少し驚いた。こんな風に声をかけてくる人はお年寄りや子供ぐらいだからだ。

「そうですね…」

と顔を上げる。そこには20代前半の若い女性。

大人しそうな顔に派手な格好。服装やアクセサリー・靴なんだか全てがちぐはぐに感じた。

そして雨の匂いなのか…生乾きのような…生臭い匂い。

「でも私は雨嫌いじゃないんですよ」

「はぁ…」

一方的にしゃべり始めた。



私の彼氏と出会ったの雨の日だったんです。

今ではこんな格好してますけど、学生時代大人しくて友達も同じようなタイプの友達ばかりで、

好きな人のこと見つめるばっかりで。

ずっとずっと見つめるばかりで。

こんな雨の日、彼が傘持ってなくて困ってて…私折り畳み傘も普通の傘も持ってたから貸してあげたんです。勇気出して声かけたんですよ。本当に本当に。

そしたら、笑顔で傘借りてくれたんです。「ありがとう!!」って笑顔で。

もうその日は浮足立って眠れなかったなぁ。


でも、もっと嬉しいことが!!!!翌日傘と一緒にお菓子くれたんですお礼にって。

「このお菓子俺好きなんだ」って。

食べれないですよね。嬉しすぎて。

だから同じお菓子コンビニで探してそっち食べたりして。

でも、私シナモン苦手で何とか好きになろうと何度も食べて練習して気が付いたら大好きになったんですよ。

それからシナモン使ったお菓子作る練習いっぱいしてバレンタインデーではそのお菓子持って告白。

彼女と別れたばっかりだったみたいで付き合って貰ったんです。



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