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信長様と行く戦国時代  作者: 焼ミートスパ
第0章 当てにならない予告編
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楽市楽座編

「座を取りやめとする」


信長様が上座でそう言った





来た来た来た~っ!


来ましたよ!


未来では皆が知っているイベントだ





これで領地の商業が活発になるってやつだよ


目の前でリアルタイムで見られるとは運がいい


まあオレは一番下座なんだけどな(苦笑)








ちょっとここで説明をしよう


オレは転生者だ


気が付いたら過去の赤ん坊に生まれ変わっていたんだ





最初は違和感があっただけなんだよ


両親の話を理解できたからな


なんかしらんがオレって中身は大人じゃね?


そう思っていた





ちょっと大きくなると遊ばずに家の仕事を手伝っていた


大体親を働かせておいて子供じぶんが遊ぶっておかしいだろ?


だから子供でも出来る範囲で手伝った





・・・はじめてのお使いのテーマソングが頭の中で鳴り響いたのは秘密だ


好きなんだから仕方ないじゃないか





おかげ?、で子供らしくない変わり者だと噂が立った


でもこの時点で転生だとは気が付かなかった


令和の時代ならいざしらず昔は新聞もTVもないからな


今が西暦何年なんて誰も教えてくれないんだから当然だ





ところで織田信長って知っているか?


令和の時代まで子孫が生き延びていたというあの人だ


田んぼで草取りしていたら通りかかったんだよ


それで気が付いた


ここは過去だ






すみません


ウソ付いていました


最初は信長様だとは気が付きませんでした


オレは吉法師を『きちほうし』だと勘ちがいしていたからな






『きっぼうし』が正しい


おかげで3年ほど信長様だとは気が付かなかった


・・・認めたくないものだな、若さゆえの過ちというのは






それに東海地方の訛りは酷いんだよ


みゃーみゃーほんとシャレにならん


だから標準語の人間にはわからんって


・・・なんでラノベだとかマンガだとすぐに信長様だと気がつけるんだ?





何で気が付いたかというと『大うつけ』と大人が影で噂していたからだ


・・・直接言ったら殺されること間違いなしだ





古今東西、『大うつけ』なんて称号は信長様だけだ


さすが信長様


人にやれないことをやってのける


そこに痺れる憧れる~





まあそういうことで、そこでようやく転生したことに気が付いたというわけだ


・・・よく気が付いたものだと自分で自分を褒めてやりたい






オレが信長様に気が付いたということは信長様もオレに気が付いたということだ






まあ後家殺しと言われる千歯こきを作って楽していればバレるのは時間の問題だわな


好奇心が400%を超えている信長様につかまるのは当然である


・・・その情熱を前向きに使ったらもっと早く御当主様になっていたと思ったね






「おいおまえ、ちょっとこい」


どこかの不良が校舎裏に呼び出す感じで信長様に呼び出された


・・・いつの時代も不良のやることは同じだな





そして子分になりました


チャンチャン





早い話がパシリですよ


パシリ




メシ持ってこいと言われたら台所に行ってメシを貰い


暑いと言われたらうちわで扇ぎ


退屈だと言われたらオロオロと困り


南に強い者がいると噂があれば出かけるのに付き合う


そんな人間にオレはなりたくない


じゃなくってそんな人間になりました


・・・人生って理不尽だ





歴史の教科書で知っていたのとは全然違う


もちろんラノベやアニメや漫画とも違う


ジャイアニズム全開


さすが『~殺してしまえ』の人はパない





これだったら絶対に信長様は跡つげないんじゃね?


そう思った





そうすればお役御免


はやく没落しないかな


ワクワク


そう思っていた時期もありました





でも歴史の強制力は強かった


すったもんだの末、織田家の殿さまになりました






そういえば巨匠の書いたマンガであったよな


歴史の修正力はハンパない


・・・本当にそう思った






まあそんな訳で農民でありながらなぜだか信長様のパシリをしている





おかげで待遇が酷い


信長様の家臣からは


「身の程を知れ」


だとかすれ違いざまに何時もイヤミを言われた






中でもヒゲ男爵、ではなくてヒゲがぼうぼうのオッサンが一番きつく当たってくる





それにそこまで嫌うのならぜひとも信長様にリストラするように言って欲しいものだ


喜んで首を切られるぞ


・・・物理的に、ではないからな





だが誰も言わない


さすが戦国時代のジャイアン





でもな、オレにぶつくさ文句を言うくらいなら信長様に言いつけてみろよ、と声を大にして言いたい


この時代にはまともな市民はいないのか


そのうち言っちゃうかもしれんな






まあそんなクズな家臣だから信長様の「座をなくす」という宣言にもケチを付ける訳ですよ


「貴重な収入源ですぞ」


だとかね





ここは


「サー、イエス、サー」


とか言ってせん滅する所だろ、と言いたい






まあ座から税金を取っているからな


収入が減るのは痛いだろう




でもオレは言いたい


自分で働けよ





農民から年貢として6割を取っていてもまだ足りないらしい


いつの時代も政治家はクズばかりらしい


・・・死ねばいいのに、と農民のオレは思う





「熊!お前はどうだっ!」


下臣達が反対意見ばかり出すのに腹を立てた信長様がオレに聞いてきた




ちなみにオレは信長様に『熊』と呼ばれている


身体がデカイからな




そりゃ鳥とかイノシシとか鹿とか狩りをして肉食ってたら身体もでかくなるというものだ




もちろん周りはドン引きだ


肉食の習慣がないからな


でも現代人に戦国時代の粗食は耐えられなかったんだから仕方がない




・・・でも反省も後悔もしていないぞ


焼き鳥とすき焼きは正義だからな








話しを元に戻そう



信長様は相変わらずの無茶振りだ


家臣をここまで炎上させておきながら何とかしろとか止めて欲しい




信長様の辞書には根回しするとかは無いらしい






信長様に


家臣こいつらをせん滅すればよいのですか」


と質問したら


「大うつけ!」


と怒鳴られた




解せん!

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