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五柱 気のせい

更新遅れたあっ!! だが、安心してくれ! 私は失踪してないぞ!


とは言っても、霊華から真白を見つける方法を俺は知らない。霊華はこの前の一件で

真白の記憶を少しだけ有するようになったらしいが霊華が真白らしい行動をする

ようになったかと聞かれれば、些か疑問だ。強いて言うとするならば、以前よりも

本を買ってくれと言うようになったが......まあ、それくらいだ。


「枯葉さん、お疲れ様です!」


一日の授業を終えて、下校するために校舎を出ると校門のところで霊華が待っていた。


「おう。わざわざ来たのか?」


「はい。空を飛べば数分で来れますし」


「俺、自転車で20分なんだけど」


「ザーコ、ザーコ」


幽霊の身体能力に嫉妬する俺を霊華は生意気な顔で罵ってきた。


「うるせえ」


「まあ、枯葉さんがザコなのは今に始まった話ではないのでこの話は置いとくとして~」


「お前だけクーラーの無い部屋で寝かすぞ」


「熱帯夜でクーラー無しは普通に死にます」


「お前もう死んでるだろ」


幽霊が死んだら、『(-)×(-)=+』みたいな感じで生き返ったりするんじゃないだろうか。


「枯葉さんを想う心は死んでいません」


「お前、その俺を雑魚呼ばわりしてただろ」


「......枯葉さんを喜ばせようと思って」


「喜ばないからな? 後、瞳をウルウルさせても全然健気じゃないからな?」


やっぱりコイツ、真白要素ゼロだわ。


「ねえ、枯葉さん」


「ん?」


「悩み事でも有るんですか?」


「は? え、何で?」


突然、投げ掛けられたその言葉に俺は唖然とする。何時もと変わった様子を

見せていた自覚は無いのだが。


「うーん、何ででしょうか。何と無く今日の枯葉さん、何時もと様子が違う気が

 するんですよね。ほら、長年の勘というか......」

 

「お前と出会ってからまだ一年も経ってないぞ」


「へ? あ、そう言えばそうですね。私としては3、4年くらいの付き合いな

 気がするんですが」


首を傾げる霊華。その様子を見て、俺の脳裏に真白の顔がちらついた。妙に勘が良く

俺の幼馴染みである彼女であれば、俺が悩んでいることを当てることくらい出来るの

ではないだろうか。


「お前と過ごす日々が濃厚だったのは認めるけどな。悩みは......確かに有るには有るが

 お前に話すほどのことでもない」


「あ、そうやってまた一人で抱え込む~」


「本当に行き詰まったときにはお前に相談する。心配かけて悪かったな」


俺がそう言うと、霊華は不承不承と頷き俺の手を掴んだ。


「絶対ですよ?」


「分かってる」


「じゃあ、私を心配させたお詫びに私を本屋へ連れていって下さい。

 勿論、手を繋いで」


霊華の手はひんやり冷たく、この季節には最高だ。夏に幽霊の話で涼む者は

多いだろうが、夏に幽霊で涼めるのは俺の特権である。


「まあ、本屋くらいなら良いが」


「やった。欲しい本が結構、有るんですよね」


「母さんが俺達の関係を知ってからは『デート代』とかいう謎の費用を

 負担してくれるようになったし、本くらいなら幾らでも買ってやるよ」


「流石枯葉さん、太っ腹ですね。ホントに良いんですか?」


「お前、図々しい性格してる癖に自分の欲しいものは中々言わないだろ。

 たまには何か買ってやりたいからな」


俺がそう言うと、霊華は不満そうに頬を膨らましながら少し苦笑した。


「まあ、私が枯葉さんにしてあげれることってご飯作りくらいしかないですし

 ほぼニート同然の暮らしをしてる私が積極的に欲しいものをねだるなんてこと

 出来ませんよ。後、誰が図々しい性格ですか」


「少なくとも奥ゆかしくはないだろ。ほら、行くぞ」




本屋に続く道を二人で歩いていると、思わぬ出会いがあった。


「あら、枯葉君久し振りね」


「......!? お、お久し振りです」


霊華はずっと俺以外の人間には観測されないようにしていたので今も

気付かれてはいないと思うが、流石に驚いた。


『お知り合いですか?』


「前に会ったのは真白のお墓参りのときね。枯葉君がわざわざ来てくれて嬉しかったわ」


「い、いえ、前も言ったように真白は俺の唯一の友達なので」


心臓がバクバクと鳴っている。霊華の透明化が通じなかった、という前例は一度も

ないので大丈夫だとは思うのだが。


『お墓参り......ってもしかしてこの人、真白さんのお母様ですか!?』


霊華は俺達の会話から俺の目の前に立っている女性の正体を察したらしく

驚いたように声を上げた、しかし次の瞬間。


『プッ。お母さん、ホクロ増えてる』


そんな声が俺の耳元に聞こえた気がした。......いや、きっと気のせいだ。


「ごめんなさいね。時間を取っちゃって。どうやら邪魔をしてしまった

 ようだから私はこれで。またね」


「あ、はい。さようなら」


真白の母は俺にそう告げると、足早にその場を去っていった。......しかし、何故だろう。

俺は真白の母が放った言葉に何となく気持ち悪さを感じていた。いや、気のせいだ。

気のせい。気のせい。

最後まで読んでくれた貴方は私の完全な恋人です! ありがとう。それにありがとう!←下手な翻訳された英文 評価、ブクマ、感想、レビュー、お待ちしてます!

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