一柱 こうしてヒュゥゥゥドロドロドロ~でうらめしや~な生活がまた始まる
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「ヒュゥゥゥドロドロドロ~。うらめしや~、っと。枯葉さん!」
「ゴハアッ!?」
今日も今日とて、俺は霊華に乗られて目を覚ます。眠る必要の無い彼女が早朝から
俺の体に跨がり、股がられた俺が死にかけのゾウのように低い声で叫ぶのは、最早
毎朝の日課と言っても良いだろう。
「枯葉さん、おはようのキスをお願いしますっ!」
突然、何を言い出すんだコイツは。
「ヤダ」
「チッ」
「舌打ちすんな」
「ねえ、枯葉さん」
「何だよ」
「私達って交際してるんですよね?」
霊華が頬を膨らましながら同意を求める。
「一応な。後、ついでに言えば守護霊と主の契約も交わしてる」
あの契約に、はたして意味が有ったのかは正直疑問だが。霊華が人を驚かさなくても
エネルギーを補給できるようになったこと以外で役立ったことは無かった気がする。
だってコイツ、守ってくれないし。
「一応ってなんですか。一応って。私達、交際してるのにキスもしたこと無いんですよ?
月島さんにも彼女が出来たらしいですし、このままじゃ私達笑われてしまいます」
「笑いたい奴には笑わせとけば良いだろ」
「.....あ」
霊華は文句ありげに唸り、そして何かに気づいたように声を漏らした。
「どうした?」
「......枯葉さん、私に隠していることが有るなら今すぐ言って下さい。
今ならまだ許してあげますから」
霊華の声が突然低くなる。彼女の周りには普段よりも強く燃え盛る不気味な
人魂が一つ、また一つと増えて、俺の部屋は妖しげな様相を呈した。
「ちょ、え?」
「とぼけたって無駄ですよ。枯葉さん、浮気してるんですよね?」
何故そうなる。
「馬鹿」
俺はそう言って、霊華の額を弾いた。
「イタッ」
「俺なんかと付き合ってくれる物好きな人間がそう簡単に見つかる訳が無いだろ?」
「だって枯葉さん、全然キスしてくれないし......」
「いや、キスをしないだけで浮気認定されても困るんだが」
「じゃあ、本当に浮気はしてないんですね? 嘘だったら私死にますよ?」
愛が重い。めっちゃ重い。
「というかお前、四六時中俺の傍に居るだろ。その時に俺の浮気を見たか?」
勿論、お互いにプライベートな時間を作ってはいるがコイツとは基本的に朝起きて
夜眠るまでずっと一緒だ。それに、俺は根っからの引きこもりなのでプライベートな
時間に外出することは殆ど無い。外出するとしたらコイツと一緒だ。そんな生活を
していて俺に浮気をする暇なんて有る訳が無いし、必要ない。
「あ、確かに」
「『あ、確かに』じゃねえよ全く。信頼されてないんだな、って思って傷付いたし」
「す、すいません。お詫びにキスしてあげますから」
「それは遠慮しとく」
すると、彼女はまた頬を膨らませる。コイツはハムスターか何かかよ。
「私みたいな美少女にキスをせがまれるなんて普通に生きてたら絶対に
あり得ないことですよ? 枯葉さんはもっと喜ぶべきです」
「あっそ。それじゃ、そろそろ俺の上から降りてくれ。今日は久し振りに俺が
朝飯を作る。休みだしな」
「むううう! 今に見てて下さい! 枯葉さんのご飯に大量の媚薬と睡眠薬を
仕込んで一方的にあんなことやこんなことをしてやるんですからッ!」
今日からは外食にしよう。
はい、後日談の一話目でした! 何時もより文字数が少ないと感じた方も居るかもしれませんが、この作品は一応完結したことになっています。新作も書かなくてはいけないので、後日談は不定期&少ない文字数でやらせて頂きます!
調子の良いときは多く投稿しますが、基本的にこれくらいの文字数のヤツを一週間に一話投稿するつもりです。宜しくお願いします!
では、評価、ブクマ、感想、レビューお待ちしてます!