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九位目 クレープ

今週は時間の余裕があれば、もう一話投稿します!


今日は枯葉君と大好きな本『スピカの冒険』についてたくさんお話しました!

枯葉君は少し、目付きが鋭くて怖かったですけど話してみると楽しかった!

これをきっかけにお友達になれたら良いな!



私はあんまり激しく動いちゃうとお医者さんに怒られます。枯葉君もあまり

運動が好きじゃないみたいです。私みたいに枯葉君は身体が弱いわけじゃ

ないんだから健康のためにも外で遊んで欲しいですが、そうなると枯葉君が

私とあまりお話ししてくれなくなるので遊んで欲しく無い気もします。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「あ、枯葉さん。クレープ売ってますよ!」


つい、先程たこ焼きを腹に入れたばかりの幽霊が次に目を光らせたのは

キッチンカーで街中に出没しているクレープ屋だった。


「買えと?」


「ふふっ......良く分かってるじゃないですか」


コイツ......。


「太るぞ」


「残念、幽霊なので太りません。後、デリカシーが無いです」


「チョコバナナクレープ、一枚400円で売られてるが400円あれば

 家で何枚も作れるんだぞ?」


「でも、枯葉さん料理出来ないじゃないですか~」


「......買うか」


料理が出来ない、今まではそのことを何とも思っていなかったが幽霊と同居するに

あたってその不便さを痛感させられるようになった。丁度、毎日のように惣菜や

麺類を幽霊に食べさせるのを忍びなく感じているところだったので今の幽霊の

言葉は耳が痛かったのだ。まあ、料理は幽霊が練習してくれるらしいが......。


「はむはむはむ、はむはむはむ、う~んデリシャス!」


そんなこんなで幽霊には生チョコ&チョコケーキクレープを

買ってやることになってしまった。


「完全に食べ歩きになってるな」


「良いんですよ、デートなんてそれで。何たって枯葉とこうやって外を

 歩くなんて私、中々出来なかったしね」


「まあ、そうか......待て、お前今何て言った?」


俺がそう聞くと、幽霊は『へ?』と間抜けな声を出した。


「良いんですよ、デートなんてそれで......って」


「違う。その後」


「後? 私はそれしか言ってませんよ?」


......血の気が引くのを感じた。


「そ、それしかって......」


「うん? どうしたんですか、枯葉さん? 私、それ以外に何か言ってましたか?」


幽霊は不思議そうに俺の顔を見た。それが余計に恐ろしい。

お願いだから、悪ふざけだと言ってくれ。


「いや、何も、無い......」


「枯葉さん? って、何か顔色悪いですよ?」


幽霊の言っていることは恐らく正しい。何故なら、俺自身自分の体調不良に

気が付いていたからだ。背中からは滝のように汗が流れ、動悸が止まらない。

確実に先程の幽霊の口調は真白の物だった。仮にもしそうだとしたら、真白の

記憶が幽霊に戻りかけている? 戻ったら今の幽霊はどうなる?


頭の中が真っ白になった。目眩がする。身体が自由に動かない。

幽霊は何故、金縛りなんかを俺に掛けているのだろうか。

足元がふらつくが、それに対応できる程、俺の頭は冴えていない。


「あ......」


そのまま身体が一気に地面へと近付いた。


「ちょっと!? 転けないで下さいよ!」


しかし、間一髪幽霊が俺を支えてくれたようだ。そして、幽霊の心配するような

大きな声は俺をぼやけた世界から引っ張り出した。


「......すまん。少し、ボーッとしてた」


「本当に大丈夫ですか? 様子が変ですよ?」


「そう、かもしれないな」


あんなことがあって、動揺しない方が可笑しい。生前の記憶を失った

幽霊が現れるのとは訳が違う。幽霊に真白の記憶が戻るというのは

死人が生き返るのと同じようなことだ。


「大丈夫ですか? 此処からなら病院も近いですよ?」


何とか近くにあったベンチに座った俺と幽霊。幽霊はかなり

心配してくれているようだ。


「いや、大丈夫。ありがとな。心配してくれて」


「......そですか。じゃ、はいどうぞ」


幽霊はそういうと、俺に無言でクレープを突き出した。


「食えと?」


「頭に糖分が回ってないから、ふらついたりしたのかもしれません。

 生チョコも一つ食べて良いですから」


「まあ、そういうことなら......」


俺は言われた通りに生チョコのある部分のクレープ生地に

かぶり付いた。口の中が一気に甘くなる。


「全く、心配させないで下さいよ。......美味しいですか?」


不貞腐れたように幽霊は鼻を鳴らすとそう聞いてきた。


「ああ。生チョコの口どけが滑らかで美味しい」


「ふふ。今回は渋ることなく『あーん』してくれましたね」


「いやまあ......たこ焼きでやったからな。吹っ切れた」


釣りのとき、餌の虫を一回触ってしまえば二回目は案外

触れたりするのと同じで、二度目はあまり抵抗がない。

それでも多少は恥ずかしいが。


「......枯葉さん、気付いてるのに言ってます?」


「何がだ?」


検討も付かない、といった俺の様子を見て幽霊はクスクスと笑い


「これ、たこ焼きとは違って間接キスですよ?」


と、意地悪な笑みを浮かべたのだった。

評価の仕様が変わり、どの何話目でも評価が出来るようになったみたいですね!

ということで、少しでもこの小説が良いと思いましたらこの下の星を

塗り潰して下さい!(乞食)


ブクマも感想モレビューも勿論、お待ちしております!

では!

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