それだァ!
テキストドキュメントに書いてたらキーボードの変なボタン押してしまった全部消えてしまった・・・OTL
女神はまたとんでもない事を言い出した。
「相良さんの体は・・人ではありません」
はん?人じゃないだと・・?あ、やっぱりこっちの世界では地球の体は対応していないとか?それとも今って魂の状態だからそもそも体は無いし魔力は入らないだけって落ちなんじゃ・・?
「あの女神様?一応聞くけど、地球での体はこっちに対応してないとか?あと今って魂の状態だからそもそも魔力が入る体が無いからダメとかそんな落ちじゃないですよね?」
「そんな事はありませんよ、魂だけの存在でもその中には体を形成する情報が入っているんです、なので魔力を注げば問題は無いはずなんですが・・」
そう言うと女神は考え込むように手を頬に当てて首を傾げた。
俺に何かしらの問題でもあるのか・・それともこの女神がドジなだけで何か忘れているのだろうか。そんな失礼な事を考えていると、何かに気づいたようだ。
「あ・・、前例が無いので見落としていました。相良さんはこちらの世界の魔王サイエスの攻撃が地球で発現し、それにより死亡しましたよね、その際に黒い粒子となり魔王のスキルと一緒に消滅しました。そしてこちらの天界で黒い粒子と魔王のスキルが再構成されて相良さんの魂になった訳ですね、なので相良さんの体には魔王サイエスの魔力しか入りません」
なるほどなーと納得していると気づいてしまった、魔王サイエスの魔力しか入らないって事は異世界で魔王として出現する事になるのだろうか・・。魔王に何てなりたくないぞ・・。ていうか魔王の魔力って何か黒そうで嫌だな・・あのスキルだって地獄を思わせるような黒だったし。
「もしかして、異世界で魔王として生きていく事になったりしませんよね?魔王じゃなくても黒い魔力とか嫌ですよ?普通はどんな色か解らないけどさ」
そんな事を言われた女神は困ったような顔をした。
「ですよねー・・魔王ともなると地上の生物の頂点に当たる様な存在なので特別なんですよ・・お察しの通り魔力を使ったり体に纏ったりすると黒くなります・・通常の魔力は薄い白ですね」
やっぱりそうなんだ・・人に見られたら絶対気味悪がられるだろ・・。魔力の色が黒いってだけで迫害されて行き着いた先はボッチなんて嫌だな・・。
「仕方ないですね完全に魔王の残滓は取り除けませんが最上位に当たる我々神の魔力を注ぎます。もし魔王の残滓を取り除いてしまうと今の相良さんの魂は霧散して消滅してしまいますので」
何かメチャクチャ怖い言葉が聞こえたぞ・・霧散して消滅って・・。
「あの一応聞きたいんですけど霧散して消滅するとどうなるんですか?」
「文字通り消滅するだけですよ?跡形も無く意識も全て無くなります」
こえー、マジかよ。
「あ、じゃあ女神様の魔力でお願いします・・」
「ただ・・我々神の魔力は金色に輝いているのですが色を抑えて注ぎます、黒よりはマシでしょう」
薄々そうなんじゃないかと思っていたが、やっぱりそうだった・・まぁ黒よりは・・うん。
「はい、お願いします」
「では魔力を注いでいきます」
女神は手を伸ばし手のひらをこちらに向けてきた途端に、女神からは巨大な壁を前にしたような圧迫感と風の様な何かが体を通り過ぎた。
神の手の先からは薄い金色で霧の様な物が出続けている。
まだ注ぐのだろうか、女神の顔は徐々に険しい顔つきに変化してゆく。
魔力を注ぎながらも女神は相良に問いかけてきた。
「あの相良さん?」
「はい?何ですか女神様?疲れましたか?休憩します?」
女神が徐々に険しい顔つきになるのでマジマジと女神の顔を凝視している訳だが。
「そうじゃありません!今まさに魔力を注いでいる最中なのですが、相良さんの魔力の器が大きすぎるんですよ!もしかして魔王サイエスの魔力量事再構成してしまったんじゃ・・」
どうやら俺の魔力の器とやらが大きすぎるようだ、魔王サイエスの器だけが俺の中に出来たのか・・。
まぁ多いに越したことはないか、何て呑気な事を考えていると。どうやら注ぎ終わったようだ。
「ふぅ、どうにか入れ終わりましたよ、ビックリしましたよ魔王サイエスの魔力量と相良さんの魔力量二つ分って所でしょうか・・」
俺の分も加算されていたようだ。ここはひとつ労っておこう。
「お疲れ様です、ありがとうございます」
「付与する際、神に二言は無いって言ってしまいましたからね、それに不十分なまま地上で形成すると何が起こるかわかりませんし」
何って何がどうなるんだ・・。
「とりあえず付与は終わりました後はこちらの世界の知識ですね!」
と言うと女神はどこから出したのか表紙に<世界の理>と書かれた本を出した。と同時に思い出した。
「それだァ!」
「ひぁ!な、なんですか?」
女神をビックリさせてしまったようだ、だがこればっかりは欲しい。
「それですよ!それ!そのどこから出したのか解らないやつ!」
本を指さしながらそれそれ言う相良にキョトンとした顔の女神。
「え?この本ですか?」
「違う違う、何も無い所から本を出したじゃないですか、それもスキルなんですか?」
言うの忘れてたなー、初めて見た時から気になってたんだよな。
「これは異空間収納と言いまして我々神々は皆使えるスキルですよ、地上でも似たような空間収納がありますね」
地上でもあるらしい、でも何で名前が違うんだろう?
「何か違いがあるんですか?」
「ありますよ、異空間収納は入る物の制限は無く中の時間経過もありません。空間収納は入る物の制限があり中の時間経過もあります。空間収納は魔力操作に長けた者程中の容量は大きくなります。」
来たこれだよこれ異世界あるあるスキルの一つだ。だがこれがあれば沢山物を入れれて便利だ。
「その異空間収納も貰えませんか?物作りのスキルなので手持ちがすぐ一杯になると困るので・・」
ダメ元で異空間収納をねだってみた。
「いいですよ、どっちみち相良さんは魔力操作が神級なので大きさは変わらないですし、異空間収納でも問題無いでしょう。」
空間収納でも容量は変わらないんだな・・。まぁでもラッキーだった。
「では付与しておきます」
女神は取り出した本を片手で開きつつ空いた手で何かを追い払うような手つきで白い霧の様な物を飛ばしてきた。
貰ったは良いがすげー適当・・。
「時間も押してますのでサクサク行きましょう」
ついさっきスキルとかゆっくり考えて良いって言ってたのに何だいきなり・・。
「あんたさっきゆっくり考えて良いって言ったろ!」
「いえいえ、投稿するのに日を跨いでますし」
「何の話だよ!」
よくわからない事を言った女神だったが無視された。
そして女神の説明が始まった。