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家電開発部門相良  作者: ゆんべ
1章 ここから
3/9

OTL

まただ、またここだ


ここには来たことがある気がする・・


ふわふわとした白く何も無く微睡みの中のような場所


下を向いても自分の体は見えない本当に何も無い


まだ夢の続きでも見てるのだろうか?


ふと、声が聞こえた


見回してみても何もないのに声だけが聞こえる


「⋯⋯さん、⋯⋯じさん」


意識がハッキリとしてきた



 目を覚ますと先ほどと同じ様な場所だけど、明らかに違う基本は真っ白だけど遠くに見える真っ白い霧は仄かに白く光っている。


 自分の体を見下ろすと・・・・・体はある、スーツ姿だ。


 夢の続きか?


 なんでスーツ姿なんだ?


 あれ?朝起きてスマホの時間は起床時間をだいぶ過ぎてたはずだ、急いでスーツ着て家を出て・・

 記憶は少し曖昧だけど思い出し始めた時、後ろから声がした。


「相良龍治さん」


 ちょっとビックリしつつ振り返ると胸元に金の装飾品を身に着け白を基調とした真っ白いドレスを着た女性が立っていた。いや浮いていた。


「ええ・・浮いてる?」


 この空間が真っ白すぎて浮いてるように見えるのかもしれないが、急に見たこともないくらいの美女から声をかけられてドギマギしていた。


「あら'見たこともないくらいの美女'だなんて口上手なんですね」


「あ・・いや・・えっと・・」


 その美しい女性は美女と言われてご機嫌でニコニコしていたが、心が読まれた事に動揺しながら、え、いや、えっと、しか言えなかった。


 そしてわざとらしくコホンと言うととんでもない事を言い出した。


「こちらの世界での何かしらの不手際で貴方は地球で死亡しました」


 え?何言ってんの?この人いきなり訳わかんない事を・・もしかして'そういう設定が好きな頭がチョットアレな人'なのだろうか・・。 


「だあれが頭がアレな人ですか?」


 その美女のこめかみには青筋が立っていた。ニコニコしてるだけに怖い。


「あ、いや、すいません。でもちょっと何言ってるのか理解できなくて」


 そう言うと美女はハっとしたような顔になり、自己紹介をしてくれた。


「そ、そうですよね申し訳ありません。私は女神イーリス様から神の代理を仰せつからせて頂いている女神です。」


 は?


 女神イーリス?


 また始まったのか・・と考えていたら。


「私は頭がアレな人ではありません、事実貴方は地球で魔王サイエスのスキルにより死亡しました。黒い渦のような物を見たでしょう?」


 次は俺がハッとした顔になった、そうだあの黒い渦だよ、アレから黒い手が出てきて俺の左手を・・


 その女神とやらは現実を突きつけてきた。


「思い出しましたね?貴方は魔王サイエスのスキルにより死亡して、魂だけがここに来ました」


 混乱しながらもどうにか絞り出た言葉はどうも落ち着いた質問だった


「魔王のスキル?魂だけ?どうなってるんですか?」


「随分落ち着いているのですね、魔王のスキルはこちらの世界の魔王の技ですよ、魂は言葉通り貴方の魂です」


「落ち着くも何も死んだって実感も無いし、今も体があるじゃないですか」


 そう言うと女神は可哀そうな者を見る目でこちらを見てきた。


「ではご自分でご自分の体に触れてみようとしてください、そうすれば判ります」


 試しにアレに掴まれた自分の腕に触れてみると、いや触れない、ただ何も無い所を通り過ぎるだけ。


「どうなってるんだ・・?なんだこれ・・」


 驚きのあまり自分でもわかるくらい自分の顔から感情が抜け落ちていくのが分かった。


 途端にブルブルと体が震えだした、本当に自分が死んだんだと、その魔王のスキルとやらで殺されたのだとそこで初めて実感した。


 だた不思議と涙は出なかった、相良には両親も兄弟も頼れる親戚も居なく地球での相良は本当の意味で一人だった。

 中学の頃に両親を事故で亡くし、中学卒業とともにバイトをしてどうにか生きていくので精一杯だった。

 いつか自分も死ぬのだろうと若くしてそう思っていたけれど、まさか魔王のスキルで死亡だなんてと思っていたら少し可笑しくて笑ってしまった。


「ははは・・」


 笑い出した相良にギョッとしながらも女神は言葉をかけた。


「あの・・相良さん?大丈夫ですか?頭がアレになっちゃいましたか?」


失礼な事を言ってきた女神の言葉に我に返る。


「あ、すいません、普通の死に方じゃなかったので何か可笑しくてつい・・てか頭がアレって言うな!」


 この女神失礼だなと思っていたら


「貴方が最初に言ったんですよ?失礼なのは相良さんです!」


 そうだった・・すいませんと謝っておいた。





 少し落ち着いて事情を聞いてみて分かったことがある、まずここは何処なのかと言うと地球があった世界ではなくて異世界にある天界らしい。


 

どこの世界も大体決まっていて、死んだ者の魂はこの天界に来ることはないそうだ、何故かと言うとその世界で死んだらその魂は大きな流れにのって生前の所業によってどの命に吹き込むか決められてそのまますぐに吹き込まれるそうだ。

 

 で何で俺はここに居るかと言うと・・


「相良さんの場合はちょっと特殊と言いますか・・、まずこちらの世界で発生した魔法は別の世界に影響は及ぼさないんですが、相良さんはその・・魔王のスキルでお亡くなりになりまして・・何というかその・・その魔王というのも・・・」


 何とも申し訳なさそうにしどろもどろに説明をしてくれたが、要はあちらの異世界で魔王サイエスと勇者が壮絶な戦いをしたそうだ。


 その戦いと言うのが何千年も昔に起きた事で、瀕死の魔王に止めを刺そうとした所で魔王が最後の力を振り絞る事で行使できる魔王スキル<地獄への道連れ>を使用したらしい。


 勇者はその攻撃を勇者の盾を身代わりにする事でぎりぎり防げたらしい、ただその防いだ攻撃は勇者の盾ごと何処かに消えたらしく攻撃を防げた勇者は聖剣で止めを刺して戦いは終わった。


 その何処かに消えたって言うのが魔王のスキルらしく、世界と世界の隔たりである時空の間をも突き抜けてアレが出現したみたいだ。ちなみに勇者の盾はスキルの威力が強すぎて黒い粒子となり消えたそうだ。


「魔王やばすぎるだろ・・」


「えぇ・・まぁ・・私たち神も予想外でして・・それで・・相良さんには申し訳ないと言うか何というか・・」


「まぁ、元に戻せるんでしょ?事情も話してくれたし謝ってももらったし、それでいいですよ」


 と言ったらますます申し訳なさそうな顔をしだす女神。


「えっとそれが・・申し上げにくいのですが、元の世界に無事戻すという事は出来ません。こちらの世界で新しい命に魂を吹き込みそこから生きていくか、その姿形のまま肉体を生成しこちらの世界に'転移'という形でしか対応できないというか・・」


 は?ん?


 またアレな発言をしだしたか・・?


「アレ呼ばわりはしないでください! とにかく魔王のスキルによって魂はこちら側に来てしまった為こちらから地球に干渉はできないので、こちらの世界で生きていくしかないのです。」




相良はその言葉を聞いてOTL状態になった。








どうでもいい話なんだけれど、本文を打ち込んでる途中の「次は俺がハッとした顔」の所で顔を打ち込んだら「(^^)/」変換でこれが出てきて一人で爆笑してました。


ブルブルと体が震えだしたと打っていたら地震が来てビビッタ。


思った以上に長く書けました。


誤字脱字があったらすいません。


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