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フェアリーズ・ライフ  作者: クロスファイア
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第1話:1年生になったなら

前回から間が空いてしまいましたが、まずは第1話を書かせていただきました。

 県立小野寺高等学校。それが今年から僕らが通う学校の名前だ。

ここを選んだ理由は“ただ単に近いから”そう言う生徒は多いと思う。僕もそのうちの1人だ。


 「おっ、歩、おーっす」

「歩、おはよう!」

信号待ちをしていると、保育園からの幼馴染、乾拓郎と小沢澄花が歩きながら声をかけてきた。

拓郎は見た目はちょっと軽い感じはするけどスポーツが得意で、いつでも明るいクラスの人気者。

澄花は言葉はキツいが、勉強ができる優等生。いつもお世話になっております。

「2人とも、おはよう」

「制服似合ってんじゃーん」

「ホントね~、馬子にも衣裳ってヤツかしら」

「馬子にも衣裳って、ちょっと酷くない?」

合流すると自転車を降りて、押して歩く。道中は3人で雑談をする。今まで幾度と見た光景だった。

全員、これから始まる学校生活に胸を膨らませていた。


 校門まで差し掛かると高校の先輩や先生が数人並んでおり、新入生に朝の挨拶を行っていた。桜の花びらと遊んでいるシルフ達を横目に僕は一旦2人と別れて駐輪場で自転車を止め、クラス分けが発表されている玄関へ向かう。

「歩! 私たち一緒のクラスよ!」

「本当に? ……あ、本当だ」

「やったな! イェーイ!」

3人でハイタッチし、シューズに履き替え教室へ向かう。


 教室には既に何人か生徒がおり、拓郎と澄花は同じ中学校だった者に挨拶したり適当に話したりして自分の席へ。僕は……察して下さい。席は出席番号あいうえお順となっており、僕は窓際の前から2番目だった。拓郎は僕の後ろ、澄花は女子なので少し離れている。

「歩、歩!」

鞄から文房具などを机の中に移していると、拓郎が後ろから話しかけてきた。

「目指せ“高校デビュー”だ!高校だと他の中学校からも生徒が集まる。お前のことを知らないヤツがこの教室にも来る。友達を作るチャンスだ!」

「新しい友達かぁ、ちょっと難しいかも。初対面だと怖いし……」

「……あのなぁ……」

そこに、開けられていた窓からシルフが1人、入り込んで僕の所へ来た。大人の手のひらサイズのシルフ達は、いつも自由気ままに遊んでいる。その性格はというと・・・

「そうそう、歩に新しい友達なんでムリムリ~」

いたずら好きだったりする。ニヤニヤ笑いながら言いやがるので、僕はすかさず軽いデコピンで答える。

「あぅ」

そのまま机の上に倒れてしまった。後で外に出しておこう。

そうしている間に澄花がやって来た。

「何の話してたの?」

「友達作り」

「あ~! そうよ歩、交友関係を広げないと将来ひとりぼっちになるわよ?」

「できることなら俺も澄香も協力するから、な?」

「えぇ……わ、分かった。じゃあその時になったらお願いしようか、な」

2人の勢いに押され、承諾してしまった。

「よーし、その意気だ!」

「楽しみね~!」


 2人と色々話した後窓の外を見てぼーっとしていると、いつの間にかクラスには全員揃っており、話す声が少しうるさく感じてくる。ちょうどその時先生が入って来て、自然に教室内は静まり返った。教壇に立つ頃にはもう話す生徒は居ない。

「え~、この後すぐ入学式と始業式が始まります。皆は出席番号順、この席の順番ですね。に並んで体育館に向かいます。身だしなみはきちんとしておくように」

先生の見た目はまだ若い、と言っても20代後半か30代前半くらいの男性。淡々と話すので少し冷たいような印象を受ける。話し終わって数分後、先生が腕時計を確認して

「はい、じゃあ行きましょうか。男子から出てきてください。おしゃべりはしないように。」


 体育館でまず入学式が行われる。その途中で僕たち新入生の主席が前で挨拶をするのだが、その生徒の名前は初めて聞くものだった。

「新入生代表 風見香」

「はい!」

僕ら以外の中学校の出身の生徒のようだ。席を立ち、階段を上がり、前に出る彼女は凛としていて気品のある、美しいものだった。僕はその姿に目を奪われ、ほとんどその後のことは覚えていない。


 教室に戻るとホームルーム活動が行われ、まず先生からの挨拶があった。

「今年1年、皆さんのクラスを担任する香川英則です。今日から皆さんは高校生です。いつまでも中学生気分のままでは無く、高校生らしい学校生活を送って下さい。では皆さん1人ずつ前に出て一言お願いします。名前と、あとはなんでも大丈夫です。じゃあ出席番号の最後から」

教室が少しざわついて、席が一番後ろの女子が前に出て話し始める。それが終わると次の、また次の……と繰り返す。皆緊張しているのか声が小さかったり、詰まったりしているがそれは致し方無い。そして……

「風見香です。好きな教科は国語です。よろしくお願いします。」

後で分かったことなのだが、男子全員が入学式の時もクラスでの挨拶の時も彼女に見とれていたらしい。


 ホームルームが終わると、途中で配られた様々なプリントのうちの1つ、部活動が行われている場所についての物を参照しつつ歩く。その部活動とは……

「「オカルト研究部ぅ!?」」

拓郎と澄花は廊下で声を張り上げる。

「やめとけやめとけそんな怪しい部活」

「そうよ! なんかこう……呪いとかかけられちゃうかもよ?」

「いやぁ、僕のできること自体オカルトだから……それに妖精以外にも色々と興味あるし」

「そっか、それならまぁいいか」

「う~ん……」

澄花は納得がいかないようで、しばらくして

「何かあったら相談するのよ!分かった!?」

「は、はい!」

そう言うと足早に自分の希望する部活の見学へ向かった。それを2人で見送ると

「じゃ、じゃあ頑張れよ」

拓郎は僕の肩を軽く叩き応援してくれた。

「う、うん」

お互いに手を振り別れる。そして……


 「「ここが、オカルト研究部……」」

「「え?」」

オカルト研究部の部室、もとい部室棟の隅にある部屋の前に僕ともう1人、“彼女”の姿があった。

「か、かかか風見……さん?」

「えっと……ごめんなさい!名前何だっけ?」

僕と彼女、意外な偶然がそこにはあった。

下手な文章で申し訳ありません。

ご意見、感想などお待ちしております。よろしくお願いします。

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