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勇者物語、その後に  作者: 背水 陣
序章 終戦と旅立ちと
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プロローグ ~最終決戦~

 魔族達の巣食う、邪悪で恐ろしい魔界の最深部にて。


 地上より、幾多の戦いを乗り越えてきた勇者たちは、魔王との最終決戦に臨んでいた。


 屈強な戦士の攻撃は悉く打ち破られ、しかしそれでも彼は命を賭して、魔王の片腕を切り落とした。

 世界最高峰の魔術師は、強大な敵から繰り出される魔術に押されながらも、懸命に抗っていた。


 その中で唯一、聖なる剣で魔王を確実に穿つこと出来る女勇者は、静かに力を溜めていた


 魔術が施された鎧は所々が欠けており、瑞々しかった肌は乾燥し傷だらけ。

 幾箇所も空いてしまった鎧の穴からは、鮮血が流れていた。

 

 負傷は激しく、意識があるのも不思議なくらい。


 それでも、尚。

 彼女は、立っていた。

 最後の一撃を解き放つ為、両足で大地を踏みしめ、手に握る聖剣デュランダルにありったけの力を込めていたのだ。


 何があっても、隙を作ると勇んだ魔術師は必死に戦っていた。


 炎を、吹雪を、邪気を、習得したあらゆる魔術で対抗し、打ち消していく。

 その時、一瞬だけ。瞬き程度の刹那の間だけ。

 魔術師の放った、決死の大魔術によって魔王の重心が揺らいだ。


 最初で最後の、命を懸けた大作戦。


 勇者はその仲間たちの思いを一心に受け、最高値に達した聖剣を振り下ろした。


 輝かしいその閃光は、確実に巨悪の存在そのものを塵ひとつ残さず消し飛ばした。

 

 古来より続いていた、人間達と魔族の戦いは終結を迎えたのだった……。

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