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神通力少女は何がなんでも『普通』に生きたい。  作者: 宇宙 翔(そらかける)


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『番外編』三人娘のクリスマス

「もしもし、あかねちゃん?」

「あ、麻由ねーちゃん、どうしたの?」

「ちょっと聞きたいことがあって……」

しばらくの間。

「梨奈ねーちゃんのこと?」

「あぁ……、うん。梨奈の家ってさ、クリスマス祝ったりしてるのかな? 

ほら仏像祀ったりしてるから、宗旨的に合わないとか」

「うーーん、どうだろ。うちは普通にパーティーしてるけど」

「あかねちゃん家はお母さんが能力否定派だもんね」

能力絡みの件であかねを連れ回しているという誤解のせいで、あかねのお母さんにとって、友梨奈はあまり印象が良くないらしい。


友梨奈はずっとコミュ障で家があれだと今までクリスマスを楽しんだりしたことが無いんじゃないだろうか。

普通を目指してる友梨奈には是非体験して欲しい。

麻由の『友梨奈普通化計画』にとって重要なミッションになるかもしれない。


「サプライズでケーキとプレゼント持って梨奈のとこ行ってみようかな。あかねちゃんも一緒に来てくれない?」

「夜までには戻ってないとお母さんに怒られるし……。うちでもケーキとか料理用意してるから……」

「その日は終業式で早いから夕方ぐらいまで、最初の掴みで盛り上げるとこまでで良いよ。お願い!」

「うーーん」


「あかねちゃんへのプレゼントも持っていくよ? わたしが予約してるケーキ超美味しいし」

「ほんと?じゃあ行く!」

こういう提案で簡単に乗ってくれるのは小学生っぽくて可愛い。


「あと、わたし蟹大好きだからー、冬休みは麻由ねーちゃんのうちで蟹パーティーやりたいなー」

うーん、その提案はコスト的に可愛くない。


麻由は駅前で電話を掛けていたので、電話を切った後、商店街でプレゼント探しを始めた。


翌日の学校。

今年のクリスマスはど平日。

でも終業式だけなのでお昼前に終わった。


先に帰られないようにフライング気味で友梨奈のクラスに小走りで向かった麻由。

教室の中を覗くと、意外にも周りが帰り出している中、友梨奈は自分の席に座ったままで難しい顔をしていた。

「梨奈、どうしたの?まだ帰らないの?」

まさか最終日に補習とか。

いや友梨奈は勉強は得意なはずなので(引き篭もりで出来た時間を勉強に使っていたと以前語っていた)それはないはずなのだが。


「おばあちゃんがさ……」

麻由の方に視線を向けずに話し出す友梨奈。

友梨奈が敢えて碧さん呼びをしない時は、大抵彼女に不満がある時だ。


「クリスマスとかイベント大好きで、今年も大きなツリー出して来て飾り付けほとんどやらされるし、

プレゼント適当だとすごく怒るのよ。良い大人が子供にプレゼント交換させるのおかしくない?」


本気で困っているというより、ちょっとだけ拗ねている声音だった。

一瞬、麻由は目が点になり言葉を失った。


「そうだ、麻由ならセンスが良いプレゼント選んでくれそう!まだ買えてないからこの後買い物付き合って」

「あぁ……、うん、良いよ。付き合ってあげる」


あかねにケーキのピックアップをお願いしていたから、友梨奈の家ではなく、駅前で合流出来そうだ。

プランは随分変わってしまったけど、三人+碧さんでクリパー出来るから、それはそれで良いか。


「メリークリスマス、梨奈」

その言葉に、友梨奈はほんの少しだけ目を細めた。

(きっと今年のクリスマスは楽しいよ、梨奈)

麻由は後ろ手に持ったトートバッグを握り直した。

その中には赤と緑の包装紙に包まれたプレゼントが覗いている。










季節ネタの番外編でした。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

メリークリスマス!

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