II(セカンド)
あ、そうそう。作者勘違いしてたみたいだけど簀って簀巻きのことだから。
蓬莱山輝夜は苦戦していた。本来そのような使い方をしては武器はヒビ入り、すぐに壊れるだろう。木刀をバッドのように振り、棍棒のように地面に叩きつけているのだから。なのにヒビすら入らない。異様な光景だった。
輝夜「どんな強度しているのよ!その木は。」
黒狼「かつて、鉄よりも硬い樹齢千年の木があった。」
この木刀について語り出した。
黒狼「長きに渡り風雨にさらされたその木はいかなる道具を持ってしても傷一つつけることができなかった。いつしかそれは神聖な木とされて代々守られるようになった。その木を材質としたものだ。魔力妨害の性質を持つ木だったのもあり、物理で刀の人に切ってもらった。」
聞いたことのない人が出てきた。
黒狼「その木を圧縮したものだ。刻んだ能力は耐久力上昇×60、ダメージカット60%、高速自動修復×30、衝撃吸収×60、対魔法防御×60、対物理防御×80、特殊な攻撃に対する耐性×30、柔軟性×10、剛性×30、不壊、不欠。この程度だ。当時は数100人程度の知識しかなかったからな。俺の糸でしか木の皮をきれいに剥がせないレベルだ。少なくとも俺以上の攻撃力がないと傷をつけることすら不可能だ。」
見事に防御極振りである。しかも何がやばいって使用者に対するバフは全く載せていないのだ。この能力は使用者と共有できないように工夫がされているし、刻み方も術の上に隠すように大きく術を書いたり、変則的に書いたりして全く理解できないようにされている。
輝夜「何よそれ、、、つまり無理ってことじゃないの。」
黒狼「そうだな。」
輝夜は降参したくなった。とはいえ簀巻きにされている二人を助けるために降参はできない。
輝夜「help meえーりん!」
えーりんがやってきた。
永琳「私じゃ力不足でしょうけどとりあえずやってみるわ。」
永琳は薬を投げた。
永琳「一応効果を最大限引き出して副作用を強めた毒なのだけれど」
黒狼は意にも介さず喰らった。
黒狼「この手の毒はすでに食ったことがある。少しでも触れただけで全身を溶かす毒、少し吸えば死に至る中毒、傷をつければ全身が麻痺して死ぬ猛毒、そして作用を悪用して毒とする薬だ。俺はな、実験で大抵の者には耐性がある。副作用だろうがアナフィラキシーショックだろうが効かねえよ。」
いつだったかマッドサイエンティストの3分クッキングで毒をたくさん投与された。毒を作るたびに試させてくれと頼まれる。了承しているからいいが。よくアナフィラキシーショックなんて言葉知ってるな。
黒狼「遊ぶのは終わりにしようか。」
黒狼は発砲した。空に向けて。
輝夜「何の真似?」
黒狼「お前はあの弾丸に貫けれて捕まる。」
輝夜「それを言われたら空に注意を払うまでよ。」
黒狼「そんなことができるとでも?」
黒狼はいつもの細い不可視の糸ではなく、太い、破れそうにない糸に切り替える。強度はほとんど同じだ。輝夜はそれを避ける。空中で軌道を変え、どこまでも追い続ける。永琳は輝夜を捕まえようとする糸の軌道を逸らすので精一杯だ。だんだん糸の数が増え、輝夜が捕まりそうになる。
永琳「危ない!」
永琳は自分を盾にして輝夜を守る。永琳は糸で拘束され、マリオネットのようになる。そして薬屋の屋根に繋がれる。
フラン「もう行こうよ。」
黒狼「、、、了解」
輝夜「あら?私を捕まえるのを諦めたのかしら?」
黒狼「いや、もうそこから動けないだろう?」
輝夜「だからって、、、」
その瞬間空から弾丸が降ってきた。
輝夜「ガハッ、、、」
輝夜はよろけた。そして糸に触れてしまう。そして一瞬で簀巻きにされてしまった。
黒狼「エネルギードレイン」
体力を吸収した。そして屋根に吊るして、残りの簀巻きの二人も屋根に吊るした。
黒狼「運が良ければ誰かが助けに来てくれるだろう。まあここを迷わないやつならな。」
黒狼が去ってしばらくした後、妹紅がやってきて輝夜以外を助けるのだがそれはまた別の話。
フランを家に帰し、竹を取る。そして一本の竹刀を作る。そしてその迷いの竹林とは別の場所で武器を作る。魔法の森の木に触れる。
黒狼「ついでだ。ここ一帯の木を圧縮し新たな武器を作るか。」
黒狼は圧縮を使った。魔法の森が消える。その木の株からスクスクと木が育っていく。あまりにも早い。
黒狼「昔はまだ未熟だったが今はどうだ?数万の技術を体が覚えている。」
黒狼はゆっくりと形作る。叩いて木を均等になるようにし、削る。水を完全に抜きつつ割れないようにして形を形成し、水を含ませ強度を確保する。そして陣を刻む。
黒狼「耐久力上昇×100、ダメージカット99%、高速自動修復×80、衝撃吸収×120、対魔法防御×120、対物理防御×150、特殊な攻撃に対する耐性×60、柔軟性×12、剛性×60、属性耐性×80、不壊、不欠、攻撃力上昇、魔力妨害、魔法妨害、行動制限、能力耐性×50、消費魔力上昇×50、消費体力上昇×50、自動斬撃、自動反撃、自動追撃、自動障壁、受け流し、自動回避、攻撃無効化、防御貫通、防御貫通無効、攻撃貫通、攻撃貫通無効、闇属性付与、混沌属性付与。こんなものか。そこそこの出来だな。」
そこそこどころか世界によっては魔剣だの神剣だの聖剣だの言われそうなレベルの強さをしている。消費魔力上昇や消費体力上昇は相手にのみ適応するようになってるし、相手のデバフがとんでもないくらい多い。
黒狼「ああ、いい。こいつのなは暴君IIだ。」
新たな暴君らしい。もう木刀の域を超えてる。密度のせいで刀身が真っ黒になってるし。
黒狼は満足して紅魔館に帰ろうとした。