演技
結果的に言おう。黒狼は負けた。そう。これはYoutuberお馴染みのカットである。みたけりゃ陽の方を見ろ!あとでな!
ではなぜ負けたか。神がやってきたのだ。そう。神には勝てない。
黒狼(流石に演技だってわかるよな?)
神(黒狼いつもは喋らないし。わかるよ?)
黒狼(俺に合わせろよ?)
神「了解」
黒狼「はははっ!これで終わりだとでも思ったか?」
霊夢「どういうことよ」
回復したであろう霊夢がそう聞いてきた。
黒狼「俺は分身の一人にすぎない!今は幻想郷の他の所も攻めている所だ!絶望しろ!そして死ね!」
黒狼は自分自身を鎌を操って切った。黒狼は影に潜って消えてしまった。
霊夢「な、なんなの?」
別に黒狼の種族が死んだ時に影に潜る種族というわけではない。分身ではあるが、別に弱くはないのだ。少なくとも神の結界を破れる手段があるのだから、それだけでかなり強いと言える。ただ、今回分身の目的は足止めすること、そして、レミリアたちを逃すことだった。霊夢が周囲を確認していないことに驚いている。霊夢はレミリアたちに幻想郷を揺るがしたことに対して相応の罰を与えるつもりだった。だが、逃げられたことでそれが保留になってしまった。
霊夢「チッ、やられたわ。」
流石に演技だと気づく。あえて目立つような行動をしたのはそのためであったのだと実感して。ただ、少し疑問が、、、
霊夢「あの狼が出会って間もないやつを守るほどのお人好しには見えないのよね」
勘だった。だが、博麗の勘はよく当たる。だからこそ、その直感に自身を持っている。
黒狼は自分の攻撃で気絶した紅魔館の面々を眺めている。初めて見る顔もいる。名前は、、、パチュリーと小悪魔か。なんだ?小悪魔って。大妖精みたいな名前のつけられ方している。しばらくはみんなを影の中で休ませておこう。親しくないやつに情をかける必要なないと思うのだが、、、。
フラン「私たちは家族なんだよ?みんなで支え合わないとダメなの!」
こいし「そうだよ!みんな仲間なんだから守れる時に守らないと、大変な時に助けて来れなくなっちゃうかもよ?」
黒狼「家族ってなんだ?」
フラン「え?」
黒狼「あと、仲間もわからない」
こいし「なんで?私たち仲間なんだよ?」
フラン「えっと、血が繋がってなくても一緒に食べたり遊んだり一緒に過ごせる人!」
こいし「仲間ってのはね?一緒に過ごして仲良くなった人!」
黒狼「同じじゃねえか。」
フランとこいしは顔を見合わせてから言った。
こいし&フラン「そうかも」
そして黒狼に近づいて言った。
フラン「私たちは家族!黒狼もこいしちゃんも!」
こいし「私たちは友達で仲間!黒狼もフランちゃんも!」
黒狼は近づいてきたことに困惑し、よくわからない。という顔をしてから、
黒狼「そういうモノなのか。」
こいし&フラン「そう!」
こいしとフランには少しだけ力を割いて気絶しないようにさせていた。本当に微弱ではあったので少しの間気絶はしていた。
こいし「それで、ここはどこ?」
黒狼「俺の影の中だ」
フラン「すっごーい!黒狼そんなことできるなんて天才じゃん!」
黒狼「そうなのか。」
黒狼はどこに向かうか迷っていた。一応分身が攻めている場所があるのだが、それは視察みたいなもんだ。その程度でやられるようなら行く価値はない。そんな中で俺を一撃で仕留めたやつがいる。不意打ちとはいえ、気配を殺して死角から、だ。気にはなるな。行ってみるか。他の所も順調に負けているな。弱すぎて話にならないのは流石にないな。全てのところに共通しているのは幻想郷自体が俺を倒すためにここに住む奴に力を与えているということか。視覚情報だけで確定したことは言えないが、おそらくそうだろう。
そうして黒狼はその場所に向かう。その場所は白玉楼。白髪の剣士がいる場所だ。ここで問題が発生した。誰が黒狼の背中に乗るかで揉めていた。黒狼としては乗るんじゃねえよと言ったところだが、そんなことを聞いてくれるはずもなく、フランとこいしで喧嘩していた。
フラン「私が乗る!ずっと乗ってたんだから私の場所!」
こいし「ずっと乗ってたんだから今回は譲ってくれるよね?」
フラン「いやだ!」
こいし「私も黒狼の背中に乗ってみたーいー!」
黒狼「二人とも脇に抱えるぞ」
こいし「それはちょっと恥ずかしいというか、、」
フラン「私はこいしちゃんも脇に抱えるっていうんだったらいいけどね。まあこいしちゃんが黒狼に離れて歩くっていうのでもいいけどね。」
こいし「な、何を〜!いいよ!抱えられて歩いても!って、ちょっと待って黒狼!?まだ心の準備が、、、」
話が決まった途端両脇にこいしとフランを抱え出した。結構シュールである。




