ファイナル・バトル・アンド・ザ・ニュー・ビギンズ その1
地下の狭い集会所で、アベ一休の青年たちは静かに輪になり、戦いに備えていた。彼らは奪い取ったオーガニック・チキンカツを並べ、士気を高めるために一つずつ手に取り、口に運んでいた。天然カツのジューシーな肉汁が舌に広がるたびに、彼らは自らの内なるカラテが強くなっていくのを感じていた。シンゾウはその光景を見つめ、これまでの苦労が報われる瞬間が訪れることを確信していた。
だが、その瞬間、シンゾウの視線がふと皿の数が多いことに気付いた。集まった青年たちの数とカツカレーの空き皿の数が合わない…。誰かがいる。彼らの中に、スパイが紛れ込んでいるのではないかと察したその刹那、空気が一変した。
突然、数人の青年が何も言わずに倒れ、その首が一瞬で切り裂かれた。血飛沫があたりに舞い、周囲は一瞬で緊張感に包まれる。目にも留まらぬ速度で、黒い影がバク転を繰り返し、冷蔵庫の上に飛び乗った。そこには、冷徹な笑みを浮かべる男、カツ・ワンソーが立っていた。
「アベ・シンゾウ、ついにお前もこの街のカツを支配しようとする愚か者の一人か。」カツ・ワンソーは言葉を吐き捨てるようにして、シンゾウを見下ろしていた。彼の視線には鋭さと冷酷さがあり、アベ一休の青年たちをすでに敵とはみなしていないかのようだった。
シンゾウは静かに立ち上がり、彼の目をまっすぐに見据えた。「カツ・ワンソー、お前の支配は今日で終わりだ。カツを独占し、庶民を苦しめる貴様のやり方に、これ以上耐える者はいない。」
カツ・ワンソーは嘲笑しながら、ゆっくりとシンゾウに向かって近づいてきた。「貴様ら下層階級がどれだけ叫んだところで、カツの権力は揺るがぬ。このカツ・ワンソーがいる限り、貴様らは決して本物のカツを手に入れることはできん!」
彼の体が一瞬のうちに霧のように消えたかと思うと、次の瞬間にはシンゾウの目の前に現れた。カツ・ワンソーは奥義「ボサツ・ケン」の構えを取り、右手に溢れ出るオーラを練り込んでいた。シンゾウはそれに対抗するため、チャドーの呼吸を整え、彼の身体全体にカラテの力を巡らせた。
「タツマキケン!」シンゾウが叫ぶと同時に、強力な風の刃が放たれ、カツ・ワンソーを直撃したかに見えた。しかし、彼の笑みは消えない。彼はタマ・スベリでその攻撃をかわし、空中に跳び上がりながらシンゾウに蹴りを入れた。衝撃でシンゾウは後方に吹き飛ばされるが、素早くバランスを取り直し、反撃に出た。
戦いは激しさを増し、青年たちは息を呑んで見守るしかなかった。カツ・ワンソーはシンゾウの動きを封じ込めようと、ゲンマケンを繰り出し、攻撃の手を緩めなかった。しかし、シンゾウはその隙を突き、再びタツマキケンを繰り出し、カツ・ワンソーの攻撃をかわすことに成功した。
二人は互いにカツと権力を巡り、壮絶な戦いを繰り広げていた。周囲に血飛沫が散り、酸性雨が地下に滴り落ちる中、彼らの戦いは極限までエスカレートしていった。シンゾウはアベ一休の精神を胸に抱き、最期の一撃を繰り出す決意を固めた。
「これで終わりだ、カツ・ワンソー!」シンゾウが全力でチャドーを使い、カラテの力を極限まで引き出して、彼にとどめを刺そうとしたその瞬間、カツ・ワンソーの目が冷たく光った。
「お前はカツの意味をまだ知らぬ。だが、この俺がその答えを教えてやろう…!」
カツ・ワンソーは最後の力を振り絞り、奥義「タマ・スベリ」を繰り出した。その動きはまるで幻影のように、シンゾウの目の前で無数に分身し、シンゾウに襲いかかってきた。シンゾウは身構え、攻撃をかわしながら、これが最終決戦であることを確信した。
それは二人の力と精神の全てをかけた戦いだった。シンゾウはアベ一休の若者たちの声を背に、己の信念を貫き、ロンドンの夜を燃え上がらせる壮絶な戦いへと突入していった。カツの未来を賭けた戦いは、今まさに頂点に達しようとしていた…!