海竜亭
「らっしゃい!」
『海竜亭』に着くと、ザ・海の男といった感じの男がいた。
「泊まりたいんですけど、部屋あいてますか?」
「おう!宿泊客か!あいてるぞ!アタッ」
後ろから現れたちょっとぽっちゃり気味の女性がいきなり男の頭を叩いた。
「あんた!お客さんに対して、なんだいその言葉遣いは!」
「んなこと言われても丁寧な言葉使いなんてできねえのお前も知ってるだろ!」
「ちょっとは努力したらどうなんだい!ええ!?」
夫婦喧嘩か?これ……。
「おっと、お客さんをずっと待たせちゃ悪いね。私はアンナ。このバカ、じゃなかったアルフォルドの妻です。ごめんなさいね。このバカ口調が荒くて……」
「い、いえ。大丈夫です」
「そう?ならいいんですけど……。あ、それよりも宿泊でしたね。一人一泊朝夕食付きで銀貨3枚で、前払いになりますが、よろしいですか?」
「はい。大丈夫です」
オレはオレと瑠璃の分の銀貨6枚を払った。
「宿泊期間をのばしたいときは、またその都度払うのでいいですか?」
「ええ。大丈夫ですよ」
「あ、ところで、海釣りがしたいんですけど、船を出してくれる人って知りませんか?」
「それなら、うちのが出してますよ。別料金がかかりますけど」
「ちなみにいくらですか?」
「一人銀貨1枚です」
「じゃあ、お願いします」
「はい。いつ出します?」
「えっと明日の朝食後でも大丈夫ですか?」
「ええ。大丈夫ですよ」
「じゃあ、それで」
その後すぐに泊まる部屋に案内してもらった。