ナルシスト
「やあ、見ない顔だねキミたち☆僕の名前はルシス☆Sランクの冒険者さっ☆よろしくね☆」
冒険者ギルドに着いて早々、変なのに絡まれた。
「でも、いくら僕が魅力的だからって惚れちゃダ・メ・だ・よ☆」
「いやありえないんで、どいてもらえます?ナルシストさん」
「フッ、キミ、ツンデレだね☆」
うざい奴だ。
そしてめんどくさい奴だ。
「退け。邪魔だ」
あ、瑠璃がすごい顔してる。
「フッ、キミはかまってもらえなくて寂しかったのかい?」
「退けと言っている」
「ヒッ」
あ、威圧した。
ナルシストが怯えている隙に受付の所まで行った。
「この町の宿を紹介して欲しいんですけど」
早速ギルドカードを見せて、宿を聞いた。
「はい。宿ですね。予算などはお決まりでしょうか?」
「そうだな。まあ、特に制限はないです。でも、料理が美味しい所がいいです。」
「分かりました。それでしたら、『海竜亭』がよろしいかと。漁師の方が営んでいる宿でして、私が知る限りでは、この町で最も料理が美味しい宿です」
「なるほど、ではそこにします。ところで、あれなんですか?」
「あー、あれはですね……、えーと、この町唯一のSランク冒険者なんですけど、とにかく言動が酷いんですよね。自意識が異常に高いというか。でも、悪い人ではないんですよ?あんな感じで女性に話しかけはしますが、襲ったりはしないですから」
「なるほど」
「後、Sランクなのでめっちゃ強いです。そして顔もそこそこいいので、言動さえ気をつければモテると思うんですけどね」
「あー」
「ま、あの対応で正解ですよ」
「そうですか。ありがとうございました」
オレたちは、受付のお姉さんに挨拶をして冒険者ギルドを後にした。