妖精の羽休め
冒険者ギルドに着くと、早速宿泊できる場所を聞いた。
ちなみに予算は一泊金貨10枚までだ。
「なるほど、その予算でしたら、『妖精の羽休め』がおすすめですね」
「『妖精の羽休め』?」
「はい。そこは、結構上位の冒険者の方々に人気の旅館でして、全ての部屋に源泉掛け流しの温泉がついておりまして、さらに料理も美味しいので、お金に余裕がある冒険者の方々は利用される方が多いです。後、この旅館の女将さんは、元Sランク冒険者なんですよ」
「Sランク!?」
「はい。まだ現役でもいける歳なんですけど冒険者を辞めて旅館を開いたんですよ」
「へぇー」
「まぁ、ちょ〜〜〜っと独特な方なので、あの方を知らない人だと、別の宿を紹介してくれと言われる場合もあります。まぁ、でも良い人なんで、この町でその予算でしたらこの旅館以上の宿泊施設はありません」
「なるほど、じゃあ行ってみます」
ということで、『妖精の羽休め』に行ってみることにした。
場所は大通りから少し外れたところで、なんか外見はすごく良い。
早速入ってみると、
「あんらぁ〜。可愛らしいお客さんねン。歓迎するわよン」
着物を着た筋骨隆々の大男がいた。