ヘーロの驚愕
〈ヘーロ視点〉
最初は、ただの遊びでギルドに来たのかと思った。
しかし、俺の脅しに全く怯えた様子を見せなかった。
だから、考えを変えて、歓迎した。
そして、その強さを見たかったから、2人の試験官をすることにした。
そして、試験が始まり、少女と相対した時、全身に怖気が走った。
なんだ?こいつは?
今まで、俺はどんな魔物と相対した時も、これほどの恐怖を感じたことはなかった。
本能が、目の前にいる少女を圧倒的で絶対的な絶望を体現した存在だと言っているようだった。
そして、俺は気づいたら、自分の最高速度で攻撃していた。
まずいと思った。
もし、この恐怖が勘違いで、この攻撃が相手に直撃してしまったら確実に重傷を負うか、死んでしまうと思った。
しかし、少女は、俺の攻撃をあっさりと受け止めた。
それから、俺がどんなに速く、鋭い攻撃を放とうが、少女に当たることはなく、最後は、少女が降参し、試験は終わった。しかし、少女は息切れ一つしておらず、まだ余力が残っていることが分かった。
次の相手も、相対した時、とんでもない怖気が走った。
結局、その女性も、少し俺の攻撃を受け止め、受け流した後、降参した。
少女と同じく、絶対に余力を残していた。
とんでもない新人が入ってきたものだ。
ヘーロが恐怖を感じたのは、九喰たちが威圧したのではなく、単純にヘーロの生存本能が高かっただけです。
ヘーロが本能で九喰の強さを理解した上で体が勝手に動いたのは、本能が逃げることが不可能であると判断し、生き残るためには勝つしかないと思ったからです。まあ、これは試験なので九喰に殺す気はないですけど。