召喚された者、そして……
〈三人称視点〉
彼らの教室には、常に虐められている者がいた。
狐宮九喰という名の彼は、白髪と低身長が特徴の暗い少年だった。
彼らは、そんな九喰を虐め、ストレスを解消していた。
そんなある日、いつものように虐めていた九喰が頭から血を出した。
しかし、彼らは、それを気にすることもなく、九喰が死んでいることにすら気づかずに、ホームルームを始めた。
そんな時だった。
いきなり教室の床が光だし、気づいた時には、見知らぬ豪華な教会の中にいた。
彼らは、そこで、魔族、そして『魔王』を倒すために召喚された勇者であると言われた。
彼らは歓喜した。
大きな歓声をあげている者もいた。
しかし、彼らは気づいていなかった。
すぐそこに、彼らにとっての絶望が存在していることに……………。
狐宮九喰という名の絶望が。
◇
薄暗い、不気味な部屋に、1つの人影があった。
「『竜王』そして『災竜』を倒すほどの力を持つ存在が現れましたか……………。まぁ、イレギュラーではありますが、問題はないですね。『亜神』には至っていそうですが、まだなんとかなる範囲です。計画に変更は無し、このまま続けましょう。………………………………………ああ、早くお会いしとう御座います。我らが神よ!アハハハハハハハハハハハ!!!」
人影は嗤う。
狂ったように。
嗤い続ける。
これで3章完結です。次の4章では、九喰たちの観光旅行編を書くつもりなのですが、明日、登場人物紹介を投稿した後、しばらく投稿を休みます。また再開した時に、読んでくださると嬉しいです。