VS『竜王』
〈三人称視点〉
「なんだ?あれは……………。」
『災竜』を倒したらしい少女『九喰』と『竜王』がいきなり転移したのを見て、他の『災害指定』たちは、観戦するために建物から出ていた。
『災竜』を倒したというのは信じたくないが、『災竜』は嘘をつくようなタイプではない。そのため、九喰の強さを見てみたかったのだ。
そこで見たのは、一方的な戦いだった。
『竜王』がどれだけ鋭い攻撃を放とうが、それを難なくいなし、魔力を纏っていない攻撃で九喰は『竜王』をボコボコにしていた。
「ありえぬぞ、こんなこと。」
「フッ、言ったであろう?あやつは我に勝ったと。」
「圧倒的ね。」
その会話をしているうちに『竜王』は、さらにボコボコにされていた。
「ふざけるな!ふざけるな!!!ふざけるなー!!!!!」
『竜王』が激昂し、人型から本来の竜の姿になった。それは、瑠璃には劣るものの、圧倒的な存在感を放っている金色の竜だった。
キィィィィィィと不快な音を出しながら、『竜王』の口に魔力が集まり出した。
「死ねーーー!!!塵すら残さずに!!!!!」
そして、それが一気に解き放たれた。
だが、それでも、九喰には届かない。
「『魔力喰い』」
その一言が聞こえた後、『竜王』の放ったブレスが全てかき消えた。
そして、それに驚いている『竜王』に九喰は、強烈な拳を叩き込み、『竜王』は気絶し、落下した。