VS竜 その5 ……………ゑ?
完全にオレを殺す気になった竜の攻撃は凄まじく、もうすでに、この辺りは数多のクレーターができ、もう森と呼べるものは無くなっていた。
「ハハッ」
思わず笑みが溢れる。
オレは、結構戦闘狂だったらしい。
『戦いの最中に笑うとは、随分余裕だな!!!!!』
「いやいや、結構しんどいよ。この数の攻撃を捌き切るのはね!!!」
そう言いながら、オレは竜の魔法を避け、避けられないものは九本の尾を使い、弾いていく。
そして竜に近づこうとするも、距離を詰めるとすぐにこいつは距離を取る。
チッ!オレは術による遠距離攻撃をこいつに封じられてるから、直接殴るしかないのに。
まぁ、こいつもそれをわかっていてずっと距離を取り続けているんだろうけど。
「なら、これでどうだ!?」
「『神術:絶対結界』」
オレは、オレと、竜の周りに立方体の結界を張り、竜が距離を取られないようにした。
『なっ!!!クソッ!!!!!』
「オラアアア!!!!!」
焦った竜の隙をつき、殴る。
しかし、間一髪で防がれた。
「なんだ。放出系以外の術は掌握できないんだな。」
『チッ。だが、これで負けるほど、我は弱くはないぞ!!!!!』
「知ってるよ!!!!!」
混沌を纏った拳で殴りかかる。
しかし、竜も、その攻撃に対処してきている。
「でも、そろそろ終わりにしようか!!!!!」
そう言って、オレは、さらに混沌を強化する。
『なんだと!?この我が、恐怖しているのか!?』
フフッ。こいつはどうやら、この混沌の力に気付いたようだ。
「『神術:絶望の神拳』」
ドゴオオオオオオオアアアアアアンンン!!!!!
竜を殴り飛ばした。
この一撃で、オレの張った結界も壊れ、竜が落下していく。
『ク、ハハッ……………ハ。まさか、この我が、敗れるとはな……………フフッ長く生きてみるものだ。……………決めた。……決めたぞ。狐よ……………』
倒れたら竜は、そう言うと、急に体から煙を出しながら、どんどん小さくなっていった。
「なんだ?これ?」
霧が晴れると、そこにはなぜか、漆黒のドレスを着た黒髪碧眼の絶世の美女が立っていた。
そして、オレの混乱をよそに、その美女は、
「貴様を、我の番にする!!!!!」
そう言いながら、オレに抱きついてきた。
………………………………………ゑ?