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 創造神から『玖音(クオン)』について聞き終わると、その場は静寂に包まれていた。


 悲しそうに話す創造神に、なんて声をかけたらいいか分からなかった。


 でも、1つだけ、疑問があった。


「なんで?玖音は、『空亡』の攻撃で死んだんだ?」


 気づいたらオレは、そう声に出していた。


 不思議だったからだ。


 『空亡』を殺したオレより圧倒的に強い創造神と引き分けることが出来る存在が、『空亡』の攻撃で死んだことが。


「オレは、多分完全に『九尾の狐』の姿になったとしても、創造神より少し弱い。なのになんで……」


「言ったじゃろう?玖音の尾が8本になっておったと」


 ……ああ、そういうことか。


 妖狐の力は、尾の本数で変わる。


 そして、妖狐は、尾が欠けると、大幅に弱体化するのだ。


 それは、理から外れても変わらなかった。


 多分、玖音も同じだったんだろう。


「おそらく、『空亡』は、戦いが始まる前に不意打ちで玖音の尾を1本奪ったのじゃろう」


「そっか……それなら……納得だ」


「儂は……寂しかったんじゃ。また1人ぼっちになって」


「そっか……」


「だから……嬉しかったんじゃ。玖音の子孫が現れて。じゃから、お主を転生させた。儂と対等な存在になってくれる可能性があったから」


「なるほどね。まあ、ありがとうと言っておくよ。創造神のおかげで、オレは瑠璃と出会えた。幸せな生を送れている」


「それは良かったのじゃ」


「そういえば、玖音に子供がいたこと……創造神は知らなかったのか?」


「だって、なんか気まずいじゃろ?友の恋愛とかを覗き見るとか……」


 創造神は、顔を赤くしてそう答えた。


「アハハッ!!!なんだ、創造神ってそんな表情もするんだな」


「うるさいのう!!!」


「アハハッ!!!でも……そっかぁ。少し気になったんだけどな。玖音の子供……」


「儂ならば、世界の記憶を読めば知ることができるが、せぬぞ。儂は」


「良いよ。別に」


「……ところでの……九喰(クク)よ。頼みがあるんじゃが」


「なんだ?」


「儂の友になってくれぬか?」


 創造神は、気恥ずかしそうにそう言った。


「……ハハッ!なんだそんなことか?いいぞ」


 オレがそう答えると、創造神は満面の笑みを浮かべ、言った。


「ありがとう」

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