幕間 墓参り
200話突破!!!
〈三人称視点〉
日本のとある山の頂上に、一つのお墓があった。
お墓の周りには、赤く色づいた紅葉があり、地面は、落ち葉で赤く染まっていた。
その上空から、1人の老人……創造神が降りてきた。
創造神は、そのお墓の前に降り立ち、そして、どかっとその場に座り、あぐらをかいた。
そして、空間に穴を開け、そこに手を入れ、そこから一升瓶と、二つのお猪口を取り出した。
そして、両方のお猪口に一升瓶からお酒を注ぎ、その一つをお墓の前に置いた。
「お主が死んで、もう1000年以上経った。お主と戦った日々が懐かしいのう……」
創造神は、懐かしむようにお墓にそう、話しかけた。
「……そうじゃ、今日は、報告があって来たのじゃ。お主が戦い、そして殺した『空亡』が生きておった。じゃが、安心せよ。『空亡』は、お主の子孫が殺した。最初は、勝てそうになかったが、それでも、勝った。さすがは、お主の子孫と言ったところじゃのう」
当たり前だが、返事はない。
それでも、創造神は話し続ける。
「お主の子孫が『空亡』を殺した時の姿は、まるでお主が生きておるようじゃった。本当に……お主が……生き……返った……ようじゃった……」
創造神の頬を涙が伝った。
「……なぜじゃろうな……お主の墓参りに来ると、毎回涙が出てくる。……創造神である儂がじゃ……。お主に会う前までは、他者の死などどうでも良いことじゃった。しかし、お主と会ってから……毎日が楽しくて……だから……お主がいないことを実感すると……悲しくなってくる。」
創造神の言葉は続き、涙も溢れ出し続ける。
「こんな……泣いている姿……見せたくはないんじゃがな。じゃから、そろそろ、帰るとするかのう。『空亡』の報告はしたし……そもそも、今日は『空亡』の報告だけの予定じゃったんじゃがのう。それじゃ、儂は帰る。またのう……『玖音』よ」
これで、7章は、完結です。次の8章が最終章の予定なのですが、しばらく投稿を休みます。これから忙しくなるため、投稿再開日は、未定ですが、2〜3ヶ月後には投稿を再開したいと思っています。