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『不明』VS『空亡』 その3

 瑠璃が右腕を失ったことで、オレの心は憎悪と憤怒に塗りつぶされた。


 そして、その感情のまま『空亡』を殺すために攻撃をしようとした次の瞬間、オレは、何もない赤黒い不思議な空間にいた。


「どこだ……ここ?」


 辺りを見渡すが、特に何もない。


 次に、自分の体に異変が起きていないか調べて見ると、いきなり、オレの体が粒子になって消え始めた。


「何っ……だ?これは……」


 いや……まさか!


 『空亡』の能力は……心が『負の感情』に染まった者を取り込むというもの?


 だとしたら、オレの心が憎悪と憤怒に染まったことで取り込む条件を満たしたことになる。


 そして、今、取り込まれたオレは存在そのものが消えそうになっている。


 まずい!


 まずい、まずい、まずい、まずい、まずい!!!


 このままじゃオレは消える……。


 その前にここから出なくては……。


 だが、どうしたらいい?


 ……最後の……九つ目の『喰』……。


 あれさえ使えれば……。


 でもあれは……『理から外れた力』だ。


 『九喰い』がそう言っていたし、オレもその力の名前は知ってるからその通りだと思う。


 ……待てよ……この『空亡』の『負の感情に染まった相手を抵抗も許さずに取り込む力』も理から外れてないか?


 だとしたら……こいつと同格以上の存在になれば九つ目の『喰』も使えるんじゃないか?


 オレは、神になったことで自分の魂を完全に把握できるようになった。


 今なら、魂をいじることだって出来そうだ。


 『空亡』の魂は、『神眼』で見た。


 今から、あの『空亡』の魂と同格以上になるように自分の魂をいじる。


 だが、少しでも間違えれば、オレという存在を自分で消すことになる。


 でも、やるしかない。


 ここから出て、また瑠璃に会うために!!!


 さあ、『空亡』……オレが消えるのが先か、オレが魂をいじってお前と同格以上の存在になるのが先か……勝負だ!!!




……………………


……………


……




 あれから、一体どれほどの時間が経っただろうか……。


 もう、オレはほとんど残ってない。


 後少しでオレは消えるかもしれない。


 でも、魂をいじるのはやめない。


 後少しで『空亡』と同格以上にまで到達できそうだから……。


 次の瞬間、ふと、オレの頭に言葉が浮かんだ。


 そして、すぐにそれが『理から外れる宣言』だと理解した。


「『昇華』」


 だからこそ、丁寧にそして力強く、言葉を紡いだ。


「『概念喰らう化け狐(大妖・九尾)』!!!」





 

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