『不明』VS『破壊神』 その9
「待っててくれてありがとう破壊神」
「フフ、何、これからお前を絶望へと叩き落としてからその首を持ってあの竜には会いに行くさ。その方があの竜の絶望の表情を見れて最高だからな」
「下衆め」
「フフフ、褒め言葉だね」
「そっか、まあいい、戦いを再開しようか」
オレは、そう言うと、『神眼』を発動し、視力を限界まで強化した。
そして、破壊神を見た。
さっきまでは、『虚狐』の影響で視覚も強化されていたが、今はそれがない。
でも、『神眼』のみに集中すれば、『虚狐』の状態の時の視力だけは手に入る。
でも、身体能力は『虚狐』の時より圧倒的に劣っている。
だからこそ、神経を研ぎ澄まし、できるだけ速く攻撃に対応しなければいけない。
「じゃあ、死ね」
破壊神は、そう言うと一気にオレに迫った。
ガキイイイイイイイン!!!!!
金属と金属がぶつかる音が響き、世界を震わせた。
やった!
なんとか受け止められた。
あとは、この後どうするか……。
いや、待てよ……これ……まさか……。
オレは、『悪食の刀』を滑らせるようにして破壊神の剣を受け流した。
破壊神は、剣が急に受け流されたことで体勢を崩した。
その隙にオレは破壊神の背後に回り、そのまま破壊神の首を斬りつけた。
ハハッ、まさか破壊神にこんな弱点があるなんて……。
破壊神の圧に気圧されてこんな簡単な勝ち筋に気づかないなんて……焦り過ぎてたな。