『不明』VS『破壊神』 その8
纏う『虚属性』の神力の量を増やしたことで、わずかにオレが破壊神の身体能力を上回った。
一気に決める。
「ハアアアアア!!!!!」
「グッ、アアア!!!!!」
1回、2回、3回、4回、5回……何度も何度も破壊神を斬りつける。
「これで……終わりだ!!!」
そして、ついに破壊神の首を斬った。
頼むから……これで終わってくれ……。
「『破壊』」
「クッ……ソ……またか」
破壊神の肉体が、完全に元に戻った。
「もう諦めなよ」
「嫌だね!!!諦めるなんてできるかよ!!!」
これで勝てないならもっと、もっと、もっと、もっともっともっともっともっと……より多くの『虚属性』の神力を纏うまで!!!!!
肉体が悲鳴を上げる。
でも、そんなことはどうでもいい。
ここでこいつを殺せるなら。
瑠璃の助けになるなら……肉体が壊れようがどうでもいい!!!
そう……考えていた。
「クク!!!!!」
瑠璃の声が、この戦場に響くまでは。
「瑠璃……?」
「クク……どうしたのだ?お主のその姿……今にも死んでしまいそうではないか……?」
「そう……かもね」
「許さぬ!!!我を置いて逝くなど許さぬぞ!!!やっと見つけたのだ。我より強く、そして我を受け入れてくれる存在を!!!やっと孤独から救われたのだ!!!また孤独に戻るなんて……そんなの……嫌なのだ!!!」
「そっか……じゃあ、別の方法で破壊神を殺すとしようか……」
オレは『虚狐』を解除しながら瑠璃にそう言った。
さて、これで相打ち覚悟の戦いはできなくなった。
ここから、オレの完全勝利を目指さないといけないということか……。
まあ、なんとかやってみるか。
「瑠璃!!!ここから離れてて!!!」
「死なぬと約束してくれるなら!!!」
「死なないよ!!!」
「うむ!!!それなら良い!!!」
「さて、それじゃあ戦いを再開しようか破壊神」