『不明』VS『破壊神』 その7
剣戟が幾度となく交差し、そのたび世界を震わせる。
オレも、破壊神も、全ては防げず、お互いに傷を何度か負った。
しかし、傷を負ってすぐにオレは『負傷喰い』で、破壊神は『破壊』で傷をなかったことにするため、お互い見た目は無傷だ。
「ここまで動きを阻害してるのに随分速く動くな破壊神!!!」
「フフフ、そう言う君こそ、僕の動きに対応できてすごいじゃないか。正直、もう少し楽に勝てると思ってたよ!!!」
「流石にここまでやって負けるわけにはいかないからな!!!」
やばいな。
そろそろ肉体が限界かもしれない。
もうすでに『虚狐』を発動して30分ぐらい経った。
「どうやら、限界が来たみたいだね」
破壊神が笑みを浮かべながらそう言った。
「限界……ね……それがどうした?」
オレは、纏う『虚属性』の神力の量を増大させ、さらに鋭く破壊神に斬りかかった。
「クッ……それ以上やると本当に肉体が崩壊するよ?まあ、僕は、それでもいいけどね」
「関係ないさ!!!肉体が崩壊する前にお前を殺せればいい!!!」
「何が君をそこまで駆り立てるんだい?」
何……か。
正直、オレ1人なら『次元喰い』を使って他の世界に行っていた。
でも、それじゃあダメだ。
今は瑠璃がいる。
瑠璃は、この世界を守るという使命を持っているため、この世界から出られない。
でも、瑠璃は、この破壊神に勝てない。
オレがここでこいつを殺さなければ、瑠璃も死ぬ。
だから、オレはここでこいつを殺す!
なんとしてでも……。