『不明』VS『破壊神』 その6
全身から力が溢れ出す。
でも、それと同時に、ありえないほどの激痛がオレを襲う。
早く決着をつけた方が良いな。
「すごいね。その力……でも、苦しそうだ」
「どうだろうな?」
『虚属性』は、全てを崩壊させる属性。
その力を纏うことで大幅にパワーアップできるが、長く纏い続けると、オレの肉体も崩壊する。
オレは、神になってまだ少ししか時間が経っていない。
こいつは、ずっと神で、オレよりも圧倒的に強いんだろう。
多分、『虚狐』の状態でもこいつより弱い。
だから、少しでもオレに有利な場所にこの戦場を変える!!!
そのために……
「『空間喰い』!!!」
空間を喰らって破壊神が動きにくい場所にする。
『空間喰い』で空間を喰うと、その場所に『虚無』ができる。
『虚無』は、その周囲に空間があると、その空間ごと空間の中にあるものを吸収する。
準権能の時の『空間喰い』では、ある程度周りの空間を吸収すると、『虚無』は、なくなっていた。
しかし、権能となった『空間喰い』では、オレが閉じない限り、『虚無』は、なくならず、無制限に周囲の空間とその空間の中にあるものを吸収し続ける。
『虚無』は、『虚無』を吸収しない。
『虚属性』には、『虚無』と同じような性質がある。
そのため、『虚属性』を纏っているオレは『虚無』に吸収されず、自由に動き回れる。
「なるほど……これは……少し動きにくいな」
周囲に大量の『虚無』を作った。
そのため、破壊神は『虚無』に吸収されるのに抗いながら戦う必要ができた。
「まあ、少し動きにくい程度で、戦いに支障はなさそうだ」
破壊神は、そう言うと、一気にオレに迫った。
「確かに、お前ならこの空間でも動けるだろう。でも、お前の動きを少し阻害するだけでオレは、お前の動きに対応できる!!!」
『悪食の刀』と破壊神の剣がぶつかり合い、世界を震わせた。
「なるほど、厄介だ」
「褒めてくれて嬉しいよ」