『不明』VS『破壊神』 その4
「シッ!!!」
金属がぶつかり合う音が響いた。
チッ、防がれた……でも、突然オレが背後に現れたことで破壊神は動揺している。
この隙に追撃だ!
何度も何度も破壊神を斬りつけた。
ほとんどが防がれたけど、何回か掠った。
破壊神に、小さいけど、確かに切り傷をつけることができた。
「何を……したんだい?どうやって僕の背後に回った?ここでは、転移が使えないはずなのだけど?」
「答える義理、あると思う?」
「生意気な!!!」
破壊神の剣がオレの首に迫った。
「すぐに分かることだと思うよ!」
オレは、そう言いながら、破壊神の剣を避けつつ、攻撃する。
「ちょこまかと避けやがって、随分僕の剣が怖いんだね」
「そりゃね、世界を斬る剣は怖いに決まってるじゃん」
「フフフ、安心しろ、すぐに剣のサビにしてやる」
「サビちゃダメだと思うけど……」
「例えだよ、低脳」
「煽ってるって分からない?剣に頼りっきりの凡愚神?」
煽り合いは、欠かさない。
「ふざけやがって!!!」
破壊神の剣戟が鋭くなる。
さて、そろそろ本格的に攻めようか。
「『次元喰い』」
オレと破壊神の周囲に、大量のワープホールを作る。
そして、破壊神がそれを見て混乱しているうちに1つのワープホールに入った。
さっき、世界を断つ斬撃から逃れ、破壊神の背後に回ったのも、このワープホールを利用したんだ。
そして、破壊神の真下のワープホールから出て、破壊神に斬りかかる。
首を斬ろうとしたものの、直前で気づかれ、避けられた。
でも、
「まずは、腕1本」
破壊神の右腕を斬ることができた。