『災竜』VS『幻界』 その4
〈三人称視点〉
ファンタズムの本来の戦い方は、『破壊者』を創り、自身は、『破壊者』を後方からサポートするというもの。
相手は、実質亜神2体を相手にすることになる。
さらに『破壊者』は、ファンタズムを殺さない限り何度でも蘇る。
「なるほど、これは厄介であるな!!!!!」
「フフフ、そうでしょう?諦めましたか?」
ルリは、ファンタズムと『破壊者』の2体を相手にしながら、なんとか持ち堪えていた。
『破壊者』だけに集中すると、ファンタズムの攻撃にやられる。
一瞬でも気を抜けない戦いだ。
「諦める?バカかお主?それはありえぬよ」
ルリは、そう言うと、大量の黒炎を出現させ、ファンタズムに攻撃をしながら『破壊者』を殴り飛ばす。
そのまま『破壊者』に追撃を加え、『破壊者』を完全に壊した。
「フフフ、『破壊者』は殺せませんよ」
ファンタズムのその言葉と共に『破壊者』が復活し、ルリに攻撃を再開した。
「フハハ、いや、少し試していただけである。しかし、これで確信が持てた。『破壊者』は、1体しか創れぬのであろう?何体も創れるのでよろしくあれば、そうしているはずであるしな」
「フフフ、正解ですよ。流石に創造神の創ったものの再現は限界があるのです。それでも、あなたに勝つには十分でしょう?」
「いや、不足である」
「何?」
「『掌握』」
ルリのその言葉と共に『破壊者』の動きが止まった。
「バカな!?!?!?『破壊者』は、私の準権能で創ったのですよ!?!?!?あなたに『掌握』できるはずがない!!!!!」
「周りの空間を『掌握』したのだ。『圧縮せよ』」
ルリがそう言うと、『破壊者』が、周りの空間と共に指先ほどの大きさのキューブへと圧縮された。
「さて、これで『破壊者』は、楽に倒せる。あとはお主を仕留めるだけであるな」
「フフフ、フフフフフハハハハハ!!!!!『破壊者』をこうも簡単に攻略するとは、恐れ入りました。ですが、私の相手ではない!!!『幻界』!!!」
ファンタズムは、勝利を確信した。
ルリの口元に笑みが浮かんでいることに気付かぬまま。