『災竜』VS『幻界』 その2
〈三人称視点〉
ルリとファンタズムがありえないほどの圧を放ちながら対峙した。
「フフフ、その圧……どうやらあなた……亜神に至ったようですね?」
「フハハ!1週間もあったからな!神話級ダンジョンを攻略するのには十分な時間であろう?」
「確かに……そうかもしれませんね」
「前回はなす術がなかったが、今回は違うぞ?」
「フフフ、それはどうでしょう?亜神に成り立てのあなたと、亜神に至ってから幾星霜の時を過ごした私……果たして、どちらが上でしょうね?」
「試してみれば分かることであろう!?!?!?」
ルリはそう言うと、勢いよく、ファンタズムに殴りかかった。
その拳は、前回と同じようにファンタズムをすり抜けた。
「フフフ、バカの一つ覚えですね!」
ファンタズムは、そう言うと、ルリに強烈な蹴りを入れた。
しかし、その蹴りはルリに効かず、ファンタズムはルリに足を掴まれた。
そして、ルリはそのままファンタズムの足を握り潰した。
「グギャアアアアアア!!!」
骨が砕ける音が鳴り、ファンタズムの悲鳴が響いた。
「我の方が上だったようだな!!!!!」
ルリはそう言うと、再度ファンタズムに殴りかかった。
しかし、ファンタズムは、その拳があたる直前に自身を幻にした。
「やはり、一筋縄ではいかぬか」
「フフフ……フフハハハハハハッ!!!まさか!まさかこの私に痛みを与えるとは!!!少し侮っていました!考えを改めます!少し本気を出してあげましょう!!!」