『魔女』VS『崩界』 その4
〈三人称視点〉
焼かれ、斬り刻まれ、引きちぎられ、押し潰され、腐る。
カロスにとっての地獄が、そこにあった。
「グア……アアアアアア!!!」
「すごい!すごい!どんな傷を負わせてもすぐに再生する。これなら予想よりもっと長く実験を楽しめそうね!!!」
「ク……ソ……がっ!!!」
それでもなお、カロスはリーリに立ち向かった。
これではどちらが悪か分からない。
いや、根本的に両者が悪なのだ。
破壊神のために人々を絶望に叩き落としたいカロスと、魔法の作成や実験のためならどんな手段でも使うリーリ。
まさに、『邪神の使徒』と『災害』だ。
カロスも、決して弱くない。
相手が悪すぎた。
「何……何だよ!この魔法は!?!?!?亜神でもない存在が使って良い代物ではないぞ!!!」
「フフフ、それを使えるのが『天魔』という存在なのよ」
「『天魔』?」
「そう!魔法を愛し、魔法に愛された者だけが辿り着ける種族!!!魔法という理を体現した存在!」
リーリは、笑顔でそう言った。
その瞳には、確かな狂気があった。
「まさに……化け物ということか……」
「褒めてくれて嬉しいわ!」
リーリの放つ魔法が、さらに威力を増した。
「主上のためにも、負けられない!!!『崩界』!!!」
世界が切り替わり、リーリは、何もない真っ暗な空間に立っていた。
そして次の瞬間、リーリの体に亀裂が入った。
種族紹介
『天魔』
狂気的なまでに魔法を愛し、そして尋常ではないほど魔法に愛された者だけが辿り着ける種族。その力は、亜神に匹敵、または凌駕する。