『魔女』VS『崩界』 その1
〈三人称視点〉
『魔女』リーリの住む家。
そこにも、大量の魔物が押し寄せていた。
しかし、リーリは、特に気にする様子もなく、紅茶を飲みながら、片手間で魔物を殺していた。
そして、『八使徒』が侵攻を始めた日、リーリは、家の外に出ると空を見上げ、
「やっと来たのね。退屈していたところなのよ」
上空にいる、『崩界』カロスに向かってそう言った。
カロスは、特に驚いた様子もなく口を開いた。
「だろうな。お前は、『災害指定』の中でも特に強く、危険だ。場合によっては、『災竜』よりも厄介そうだ」
「それは流石に買い被りすぎじゃない?」
「それは、戦ってみれば分かる!!!」
カロスは、そう言うと、魔力を解放した。
それだけで、世界が軋み、空間にヒビが入った。
常人では……否、たとえSランクの実力がある者でも、生きてすらいられない空間が出来上がった。
しかし、リーリは特に怯える様子すら見せずに、
「フフッ。魔法の実験にちょうどいい相手ね」
そう言って笑った。
そして、リーリは、杖を構え、大量の魔法陣を展開した。
「俺を実験にちょうどいい相手と評するか……面白い!!!」
次の瞬間、大量の魔法が放たれた。
魔法は、一つとして同じものがなかった。
「さあ、どれが効くのかな?」